金沢市議会 > 2009-03-10 >
03月10日-03号

  • "児童虐待"(/)
ツイート シェア
  1. 金沢市議会 2009-03-10
    03月10日-03号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-05
    平成21年  3月 定例会(第1回)           平成21年3月10日(火曜日)-----------------------------------◯出席議員(40名)     議長  中西利雄          副議長 山野之義     1番  不破大仁          2番  下沢広伸     3番  高岩勝人          4番  野本正人     5番  小林 誠          6番  川 裕一郎     7番  小阪栄進          8番  秋島 太     9番  大桑 進          10番  山本由起子     11番  角野恵美子         12番  粟森 慨     13番  清水邦彦          14番  松村理治     15番  久保洋子          16番  安居知世     17番  宮崎雅人          18番  黒沢和規     19番  福田太郎          20番  横越 徹     21番  田中展郎          23番  上田 章     24番  新村誠一          25番  苗代明彦     26番  田中 仁          27番  松井純一     28番  森 一敏          29番  森尾嘉昭     30番  升 きよみ         31番  平田誠一     32番  増江 啓          34番  安達 前     35番  井沢義武          36番  澤飯英樹     37番  玉野 道          38番  木下和吉     39番  高村佳伸          40番  宮保喜一◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者 市長       山出 保     副市長      須野原 雄 副市長      森 源二 公営企業管理者  古田秀一     教育委員長代理  岡 能久 都市政策局長   丸口邦雄     総務局長     武村昇治 産業局長     羽場利夫     産業局農林部長  米林憲英 市民局長     東元秀明     福祉健康局長   横山外茂二 環境局長     城下 謙     都市整備局長   坂戸正治 都市整備局土木部長         市立病院事務局長 山下義夫          出口 正 美術工芸大学事務局長        会計管理者    上田外茂男          大路孝之 教育長      浅香久美子    消防局長     二俣孝司 財政課長     相川一郎-----------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長     篠田 健 議事調査課長   宮田敏之     議事調査課長補佐 中宗朋之 主査       藤家利重     主査       上出憲之 主査       関戸浩一     主査       水由謙一 主査       安藤哲也     主任       中村晃子 主任       石川岳史 総務課長補佐   針野 衛     主査       竹本 豊 書記       中田将人-----------------------------------◯議事日程(第3号)  平成21年3月10日(火)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成21年度金沢市一般会計予算ないし議案第87号市道の路線変更について                               (質疑) 日程第2 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第3号)に同じ-----------------------------------     午前10時2分 開議 △開議 ○中西利雄議長 本日の出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○中西利雄議長 あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○中西利雄議長 これより、日程第1議案第1号平成21年度金沢市一般会計予算ないし議案第87号市道の路線変更について、以上の議案87件を一括して議題といたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○中西利雄議長 これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 16番安居知世議員。   〔16番安居知世議員登壇〕   (拍手) ◆安居知世議員 自民党金沢市議員会の一員として、質問の機会を得ましたので、以下、数点にわたり質問をいたします。 現在の金沢中心部は、藩制時代に形づくられた道路や用水が残り、城下町の面影を残しながら、その上にまち並みを積み重ね、形成されてまいりました。市内を歩くと、その時々のまちの歴史を思い出させるまち並みが残り、金沢の大きな魅力となっております。私たちが裏通りを歩いていると、ふと、ノスタルジアに浸るような、そんなすてきな通りを見つけることがあり、この物語のようなまち並みに新たなページを加えつつ、後世に受け継いでいかなければならないと思うのであります。本市においては、今までも、美しく住みよいまちであり続けるために、さまざまな取り組みを進めてまいりましたが、今議会において、さらなる取り組みが提案されております。そこで、本市の景観に関連してお尋ねいたします。 まずは、高度地区指定についてであります。金沢市では、平成17年4月に住宅地及び景観区域に高さ制限を指定し、良好な景観及び居住環境の保全に努めてまいりました。しかしながら、近年は住宅地に近接する商業地や工業地に高層建築物の進出が見られ、居住環境やまちなか景観等への対応が求められておりました。こうした背景を受け、本市では、この4月より都市計画による高度地区指定を行い、建築物の高さを制限することで良好な都市環境を創出することとし、パブリックコメントや住民説明会を開催してまいりました。工業区域の一部を除き、市街化区域全体に指定をかけることで、調和のとれた居住環境と景観が創出されることに期待をかけるものであります。ところで、今回の高度地区指定については、従前の高さを超えない建築物の建てかえに関しては、特例措置として高さ制限を適用しないこととなっております。しかし、住民の方の中には、「ほんなら、私のうちは、いつまでたっても隣の建物の影ねんね」という残念そうな声も聞かれまして、現在建っている建築物の既得権を保護することは当然としても、建てかえ時にも、その既得権を保護することは、住民間に不公平感を生むのではないかと懸念されます。また、周りの高さが統一されていく中で、1つだけぽつんと頭が出ている景観は、より一層金沢の風景を阻害することも心配されます。しかし、仮に既得権を認めないとなると、財産価値の低減や建築計画の問題等でかえって建てかえが進まず、建築物が老朽化し、その安全性や都市環境が悪化することも考えられます。特に、分譲型の集合住宅においては、所有者の皆さんがそれぞれ床面積を購入しており、高さを制限することは非常に困難であります。そこで、大変乱暴な考え方ではありますが、公平で統一した都市空間形成のために、市が分譲型の集合住宅に対し、高さ制限を上回る床の支援などをすることで、特例措置を認めないこととしてはいかがでしょうか。市長の御所見をお伺いいたします。 次に、金沢市景観計画についてお伺いいたします。今議会において、金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例が上程されました。この条例では、本市における美しい景観のまちづくりについて基本理念を定め、市と市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、景観法に基づく施策や基本事項等を定めて、美しい景観まちづくりを総合的に推進することがうたわれております。これを受けて、金沢市景観計画が策定され、細かく景観形成基準が示されました。しかし、どこまでが法的拘束力を伴う義務で、どこからが法的拘束力を持たない努力義務なのかがわかりにくくなっておりますので、まずはこの景観形成基準のうち、何が法的拘束力を伴うのかをお聞かせください。 現在の計画案では、まちなかの住宅に関して、かなり景観への配慮が求められております。金沢の美しいまち並みを発展させるためには、市民の皆さんみずからがまちづくりの主体として、景観まちづくりの重要性を認識し、理解を深め、協力をいただかなくてはなりませんが、それが経済的負担になることによって、まちなかに家を建てづらくなることは避けなければなりません。景色をつくるのは建築物でありますが、まちをつくっているのも、まちの伝統を守っているのも、そのまちに住む人々でありますから、家を建てかえても代々住み続けていけることが何よりも大切なのであります。皆さんが守るべき目標、規制を定めて、景観を保全することも必要でありますが、本市の景観に関する取り組みが大きく前進しようとしている今、市民や事業者が景観の保全に協力しやすい支援や、積極的に取り組める施策を行うことも大切なことだと思うのであります。今までも、まちなかの定住と景観を守るためにさまざまな支援が講じられてまいりましたが、新しい景観のルールに対応するように、この際、見直しも必要かと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次は、再び景観と環境についてであります。最近、テレビや雑誌によく金沢のまちが取り上げられておりますが、卯辰山からまちなかを映した風景は、「金沢」と言われる前に、「あっ、金沢うつっとる」と気づかせる雰囲気を持っており、特段何を映したわけでもなく金沢だと言える屋上景観は、まさに本市の残すべき宝であると存じます。ところで、本市では、本年も引き続き、家庭用太陽光発電設備に対する助成を行うこととしております。いずれ迎えるであろう資源枯渇の問題を乗り越えるためにも、再生可能エネルギーの技術革新は待ったなしの課題であり、毎日のように国の新たな政策が発表されておりまして、設備が広く利用されることにより、我が国の技術力向上が期待されるものであります。一方、本市のまちなか景観の観点に目を転じてみますと、屋根の上に発電装置がぴかぴかと光る景観は、金沢らしい屋上景観を壊すのではないかと懸念されます。景観の救世主のように言われておりますかわら形のソーラーパネルも、金沢の人が屋根がわらと聞いてイメージするものとは大きく異なっておりまして、さまざまな施策で屋上景観を守っている本市でありますから、この太陽光発電設備に関する本市の支援も、単にそれぞれの家庭用の発電装置を支援するのではなく、市長、一ひねりも二ひねりも加えた、本市らしい支援策にしてはいかがかと考えるのであります。例えば、景観保全地区内の個々の家庭への普及を図るよりも、市が所有する未利用地で景観を阻害しない場所に集中して発電装置を設置し、景観保全地区において家庭用太陽光発電装置を設置したい人は、その集積場所の太陽光発電装置を購入し、その発電分を自宅の電気料金から引いてもらうなど、本市の景観を壊すことなく、新エネルギー施策に参加できるような取り組みを行ってはいかがでしょうか。さきの議会におきましても、メガソーラーを誘致する提案をさせていただきましたが、折しも電力事業連合会が10年間に30カ所程度のメガソーラー発電施設を設置することが報告されており、国の理解を得ながら、これらの事業と連携を組むことで可能性が生まれると考えます。ほかにも、技術革新を促進させる環境政策として、太陽光発電同様、国が支援を決めたものにエコカーがありますが、このエコカーへの支援は、本市の景観を阻害することがない上に、まち全体の環境負荷低減につながるものでありますし、あわせて天然ガススタンドや電気自動車への充電スタンド整備に支援を行うことで、市民だけでなく、全国の皆さんに、金沢にはエコカーで行けるという環境推進と啓発ができると考えます。このように、景観を守りつつ、環境支援を行うことができるような施策を模索してはいかがかと考えます。屋上景観についての市長のお考えをお聞かせください。また、本市にふさわしい景観と環境の連携について御意見をお伺いしたいと存じます。 次に、総合治水対策についてお伺いいたします。 近年、全国各地で局所的なゲリラ豪雨により水害が数多く発生しており、これに備えることは本市においても喫緊の課題であります。昨年7月には浅野川上流域に3時間で251ミリの豪雨が降り、上流域や中流域での河川はんらんや土砂災害により、大きな被害がもたらされました。まずは、避難を続けていらっしゃる皆さんが一日も早く安心して帰宅できますこと、あわせて一日も早い本復旧を願うものでありますが、今後の災害復旧事業の見通しについてお聞かせください。 ところで、このゲリラ豪雨による水害の要因はいろいろと考えられております。その一つとして、農地の一部が耕作放棄地となっていることや、里山の荒廃により保水機能が低下していることが指摘されており、さらには都市化に伴う雨水流出量の増大が大きな要因として挙げられております。それで、これらに対処するため、河川や水路の整備促進に加え、流域対策や土地利用対策などから成る総合的な治水対策が求められております。そのような中、今議会において、金沢市総合治水対策の推進に関する条例が上程されておりますが、本市の条例において、さすが金沢の知恵という特筆すべき点についてお聞かせください。 また、先般、内水管理強化検討委員会より、河川と水路の合流点付近の安全に資する強化策を含んだ提言書が提出されました。加えて、ふだんは私たちの目に潤いを与えております用水は、雨が降ったときには雨水幹線としての重要な機能を持つものでありますから、河川・水路・まちなかの用水を含む内水安全強化策が求められると考えますが、今後の具体的な対応についてお聞かせください。 次に、国際交流についてであります。 本年1月、山野副議長を団長とする金沢市議会大連市友好訪問団の一員として、中国大連市を訪問してまいりました。そこで、この訪問を通じて感じたこれからの国際交流についてお伺いいたします。 今回の訪問は、大連大学に開館した金澤館や大連港を初めとするさまざまな施設の視察、そして大連市に進出した金沢にゆかりのある企業・団体を訪問し、両市の交流をさらに推進することを目的として行われました。金沢市議員団としては、初めて金澤館を訪れるということで、お礼の意味を込めての視察でありました。まず驚いたのは、山出市長揮毫の立派な看板でありました。そして、心温まる驚きは、随分と大きなスペースを金澤館と金沢文庫に割いてくださったこと、また、冬休みに入っているにもかかわらず出迎えてくださった大連大学の学長を初めとする関係者の皆さんのおもてなしの心でありました。大連市主催の歓迎夕食会においては、和やかに会話が進む中で黒沢議員の詩吟や森議員の第九のバリトンソロなども御披露いただき、より一層交流が深まりました。また、川議員も空手の模範演技をされるなど、現地の団体との交流も深めてまいりました。まさに芸は身を助ける--私も次回大連市に視察に行くときは犀星の詩の一つでも覚えていかなければと、人知れず心に誓った次第でございます。この視察で最も強く感じたことは、国際交流といえども、一番大切なのは一人一人の結びつきだということでありました。今回お世話いただいた石川県日中友好協会会長の古賀会長と元大連大学学長趙亜平先生の交流から、本市と大連市の教育・産業・学術文化交流が生まれ、民間交流が深まり、そして友好交流都市の協定を締結するまでに至りました。この訪問中、趙亜平先生から、「金沢友の会」を基礎として、「大連日中促進交流会」を設立したい旨の御発言をいただき、これからのますますの交流を予感させる訪問となりました。これからの国際交流の主役は人や企業や大学であり、市はその結びつきを強めるような取り組みを進める、そんな実のある交流をもっと広げていきたいと考えますが、お考えをお聞かせください。 ところで、大連市の日本語留学専門学校を視察に訪れた際に、以前金沢に留学したときによくない印象を持ったまま帰国した学生が、帰ってからその話をしたために金沢の印象が悪かったこと、そして、今は楽しい思い出をつくって帰国した学生が、金沢のまちのよさを周りの人に伝え、それが口コミで伝染して金沢のイメージをよくしている、という話を伺いました。留学生の皆さんに金沢というまちを好きになっていただくことは、金沢を世界に発信する第一歩でありますので、もっと金沢というまちに親しんでもらえるような取り組みも大切なのではないかと考えます。本市では、既に医療費の助成や留学生向け生活ガイドを発行するなど、生活面を支援する取り組みを行っておりますが、触れ合い交流として、例えば玉川こども図書館には世界の絵本がありますので、留学生の皆さんと子どもたちが絵本を通じた交流を図るなどの取り組みを行ってはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次に、交通政策についてお伺いいたします。 東海北陸自動車道が開通し、観光バスや自家用車で金沢市を訪れる観光客の皆さんがふえております。加えて、国において乗用車における高速道路料金の値下げが検討されており、今後、観光に車を使われる方のますますの増加が予想されます。既に、ひがし茶屋街を訪れる観光客の皆さんの乗った観光バスが市営の東山観光バス駐車場に入り切らず、国道359号上で路上乗降する光景が散見されます。本市では、この対応のために臨時の整理員を1人配置いたしましたが、なお路上でバスが列をつくっている光景はなくなっておりません。そこで、観光に来られる皆さんの自家用車も含めた構造的な対応も必要かと考えますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 ところで、今回の市長の提案理由説明において、長町地区の交通規制の効果を検証することが報告されました。この規制によって市道を通れなくなった車は当然国道を通るわけでありますが、並行して走る国道上には、昼間でも客待ちのタクシーや荷さばき駐車、また、コンビニに寄るために駐車をしている車が多く、国道のスムーズな通行を妨げております。指導員がいるときは路上駐車する車はいないのですが、指導員がいなくなると、あっという間に駐車するというイタチごっこが続いております。車を運転するのであるならば、交通ルールの遵守はもっともなことでありますが、本市としてもスムーズな通行の確保のための取り組みを行ってはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 最後に、のだめカンタービレ誘致についてお伺いいたします。 ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」と名づけられた音楽祭がことしもまた金沢に熱い1週間を運んでまいります。チケットの争奪戦も予想され、私もラ・フォル・ジュルネ金沢フレンズに登録し、早速チケット争奪戦に参戦いたしました。ところで、今、クラシック界で同じく熱い旋風を巻き起こしているのが、のだめカンタービレであります。世界7カ国語以上で翻訳され、テレビアニメ化もされるほどの人気漫画で、日本のクラシック界のすそ野を広げたと言われております。こののだめカンタービレは、オーケストラアンサンブル金沢の加入する日本オーケストラ連盟とも連携しており、ラ・フォル・ジュルネ公認アルバムも出しております。日本全国オーケストラは数あれど、ラ・フォル・ジュルネを開催しているのは東京と金沢だけでありまして、この御縁をぜひとも生かしたいと思うのであります。何とか主人公である「のだめちゃん」と「千秋真一様」に漫画の中で金沢に来てほしい。そして、「千秋様」に金沢で指揮棒を振っていただき、全世界に金沢の音楽に対するこだわりを発信してもらいたいと思うのであります。そこで、本市として、「のだめちゃん」と「千秋様」を招聘してはいかがでしょうか。ルネ・マルタン氏が、「ラ・フォル・ジュルネ」というタイトルこそ、自分がクラシック音楽の分野で実現させたい夢、つまり、クラシックで我々が出会うさまざまな境界を取り去りたいという思いにぴったりの言葉だとおっしゃっていましたが、ラ・フォル・ジュルネ的取り組みを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。   (拍手) ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 16番安居議員にお答えをします。 まず、景観のことでございまして、景観を大事にしたいという御趣旨のお尋ねでありました。感謝します。その中で、高度地区指定のことにお触れでございまして、本件につきましては、高度地区のすべての建物について高さを規定するということが確かに望ましいわけでございますが、実現するには市民の都市景観への深い理解がまずは先決、こう思っています。指定に当たりましては、特例措置を設けることにしたわけでございますが、財産権、それから建築計画等の問題、それに先進都市の取り組み等を検証しまして、総合的に判断をしたものでございます。その運用に当たりましては、周辺への日照等が従前より改善されていることを条件に認めるということにしたものでございます。金沢市では、これまでは、分譲型集合住宅を含めて、制限を超えた建物の建てかえの事例はないわけでありますが、御提案の支援策等につきましては、他都市の対応事例等も参考にしながら、真摯に研究をしてまいりたいと、このように思っています。 景観形成基準のうちの法的拘束力、また景観のルール、こんなことにつきましては所管の局長からお答えをいたしまして、景観と環境の調和という難しいテーマについてお尋ねになりました。旧の城下町区域のうちの伝統的な景観を保存すべき地域におきましては、太陽光発電設備の設置は慎重でありたい、このように思っています。景観と環境の両立という課題があるわけでございまして、この解決に当たりましては、広く市民の合意形成、そして了解が前提というふうに考えます。また、環境の分野における技術革新は目覚ましいものがありますので、引き続き住宅設備を初めとする動向を注意深く見きわめて、景観への配慮と環境への負荷の低減が両立する、そんなことで美しい金沢のまちを目指していくことができたらと、こう思っています。事柄の性格から、今、直ちに解決策というのは見当たりませんが、一ひねりも二ひねりもして、できるだけいい方法がないか研究をしてまいりたいと思いますし、産学連携の一つの事例として、金沢市が大学とこの問題について研究をすると、そんな話し合いはしてみたいと、こう思っています。 総合治水対策にお触れでございましたが、この件については土木部長からお答えをいたします。 私からは国際交流の件でございますが、仰せのとおり、自治体間の国際交流は、実際面はあくまでも市民が主役だと、こう思っておりますし、市民の中でも、私は学生さんであるとか、青少年であるとか、そういう若い方々が主役であってほしいという思いは持っています。交流の契機は、これは行政が主役であってもいいと。双方の都市がいろんな特徴を生かした、そして目的を持った、しかも積極的な交流が望まれるところでございますが、交流活動、しかも具体的な活動ということについては、少なくとも多くの市民が参加をする、こんなことが望ましいというふうに思います。大連とは、これまでも民間による経済分野、それから金沢市の教育委員会が主導した英語教育の分野、こんなところでいいおつき合いを続けてきておるというふうに思っています。ことしの秋には、「伝統芸能交流まつり」を開催することにいたしておりますので、その中で大連の芸能団をお招きをするということを計画いたしておりまして、このときは多数の市民の皆さんが参加をして、そして両市の文化面での交流を深めることができたらと、このように期待をしている次第でございます。 交通政策については所管の局長からお答えをし、のだめカンタービレ、このことについては産業局長からお答えをいたします。 ○中西利雄議長 坂戸都市整備局長。   〔坂戸正治都市整備局長登壇〕 ◎坂戸正治都市整備局長 まず、景観形成基準のうち、どの項目が法的拘束力を伴うかとの御質問です。従来からの都市計画法に基づく高さの規制に加えて、景観法を活用することによって、色彩を含む形態意匠につきまして、法的拘束力を持つものでございまして、基準に適合しない場合には変更命令することが可能となったものでございます。 次に、まちなかの定住と景観を守るための支援策について、新しい景観のルールに対応するように、見直しも必要ではないかとの御質問でありますが、現在、景観条例の区域では、伝統的建造物等の外観修復や緑化や土塀、板塀等の設置に対し、多様な補助制度による支援を行っているところでございます。さらには、まちなか区域においても、定住促進策として、景観に配慮した建築を条件に支援を行っているところであります。本市の個性と魅力ある美しい景観を守り育てるため、市民の皆様が現行の支援制度を活用しやすいよう、これからも十分周知に努めてまいりたいと考えています。 以上でございます。 ○中西利雄議長 出口土木部長。   〔出口 正都市整備局土木部長登壇〕 ◎出口正都市整備局土木部長 浅野川水害に係る災害復旧事業の今後の見通しと避難生活者の一日も早い帰宅についての質問にお答えいたします。浅野川水害により被災した道路関係60件、河川関係12件につきましては、今年度分60件についてすべて発注を終えており、残り12件につきましては、21年度当初に発注を予定しております。一部の工事を除きまして梅雨前の完成を目指しており、年内にはすべての工事が完了する予定であります。農林関係302件につきましても、おおむね発注を終えており、本年10月末までには復旧工事が完了する予定であります。一方、いまだ避難勧告が解除されていない芝原町、折谷町、板ヶ谷町につきましては、県が各種事業を実施しておりまして、芝原町と折谷町は梅雨前、板ヶ谷町は秋に工事が完了する見込みであると聞いております。工事の進捗に合わせ、安全性が確保できた箇所から順次避難勧告を解除し、一日も早い市民生活の回復を図ってまいります。 次に、金沢市総合治水対策の推進に関する条例の特筆すべき点についてお答えいたします。条例は、総合治水対策を推進するために、市・市民・事業者の三者がおのおのの責務を持ち、協働で取り組むことや、国・県・関係公共団体と緊密な連携協力を図ることを定めております。また、治水対策、流域対策、土地利用対策、水防・減災対策に加え、河川と水路の合流点付近における内水管理の強化に関する規定を設けまして、広範で総合的な治水対策の推進に必要な事項を定めている点や市域全体を対象とした点など、先駆的なものであると思っております。 次に、河川・水路・まちなかの用水を含む内水安全強化策の今後の具体的な対応についてお答えいたします。今後、内水被害を防ぐために、水門管理体制、内水排除対策、市民水防活動などの強化や貯留・浸透施設の整備など、ハード対策、ソフト対策の両面から着実に強化を図っていくこととしております。さらに、学校のグラウンドなど、公共施設用地を利用しました大型貯留施設の設置を行っていき、水害に強いまちづくりを進めたいと考えております。 以上でございます。 ○中西利雄議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 国際交流について、触れ合い交流として、玉川こども図書館において、留学生と子どもたちの絵本を通した交流を行うなどの取り組みを行ってはどうかとのお尋ねがございました。玉川こども図書館では、留学生や外国の方々にも図書館の利用を呼びかけるとともに、留学生や関係機関の協力を得て、外国語絵本の翻訳や世界の国々の紹介、母国語での絵本の読み聞かせなどの活動を実施していくこととしており、こども図書館として、留学生と金沢をつなぐかけ橋としての役割を果たしていきたいと思っております。 以上でございます。 ○中西利雄議長 羽場産業局長。   〔羽場利夫産業局長登壇〕 ◎羽場利夫産業局長 ひがし茶屋街での観光バスや観光客の自家用車の駐車場についてお尋ねがありました。観光駐車場につきましては、必要最小限の台数を確保しているところでありますが、本市を訪れる観光客の方には、できるだけ歩いて金沢のまちを楽しんでいただきたいと、このように考えております。ピーク時の対策としましては、新年度は春のゴールデンウイークに加え、初めて秋の5連休期間中にも既存の公共交通と連携したパーク・アンド・バスライドを実施することにしており、まちなかの渋滞緩和に努めてまいることとしております。また、御指摘の東山地区につきましては、近年、観光バスがふえておりますので、今後、周辺に適当な用地があれば、拡充について検討してみたいと、このように考えております。 次に、のだめカンタービレ誘致について、ラ・フォル・ジュルネを縁に、今話題のこのアニメに金沢を舞台としたシーンを描いてもらえるよう働きかけてはどうかとのお尋ねでありました。これまで、アニメで金沢が描かれたケースとして、最近では八田技師の活躍をテーマとした「パッテンライ!!」があり、金沢の発信に役立っているところであります。御提案のアニメに金沢を舞台にしたシーンを織り込んでいただければ、本市を世界に発信する上で大きな効果があると思いますが、物語の展開は作家の構想によりつくられるものなので、難しい点もあると思っております。いずれにしましても、金沢を世界にアピールすることは重要と考えており、今後ともさまざまな機会を通じて魅力発信に努めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。
    中西利雄議長 丸口都市政策局長。   〔丸口邦雄都市政策局長登壇〕 ◎丸口邦雄都市政策局長 国道での客待ちタクシーや荷さばき駐車をなくし、スムーズな通行の確保のための取り組みを行ってはどうかとのことでございました。仰せのとおりでありまして、これまでも武蔵ヶ辻から犀川大橋間でタクシーベイや荷さばき施設を整備するとともに、交通指導員による違法駐車車両への指導啓発活動などを行いまして、円滑な交通の確保に努めてきたところでございます。明年度から指導員を増員することといたしておりまして、警察と連携しながら、バス専用レーンの遵守や違法駐車防止指導等を強化してまいりますとともに、市中心部の新たな荷さばき対策となる共同集配システムの実証実験を竪町商店街で行うことといたしております。また、あわせまして、まちなかへの車の流入を抜本的に抑制していくための公共交通の利用促進にも引き続き努めてまいりたいと存じております。 以上でございます。   〔「議長、16番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○中西利雄議長 16番安居知世議員。 ◆安居知世議員 いろいろと回答をいただきましたけれども、1つお尋ねをさせていただきたいと存じます。 金沢市景観計画についてでございます。今ほどもお話がありましたけれども、金沢市は既にいろんな支援策を持っている中で、定住に関する支援策を持っているんですが、利用するためには幾つかの条件をクリアしなければなりません。私がすごく不思議に思っているのは、例えば定住促進するために、そこに建てかえる方でお金を借りられる方の利息を補てんする、これは1つわかります。もう1つ、景観に配慮した、外観に配慮する、そのことによって市は支援をするという、この項目もよくわかる。ところが、その中に「家の中に和室をつくること」という文言が入っていて、これはこの定住と景観の中のどちらに入るんだろうというふうに私は常々不思議に思っておりました。今回、「金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例」をつくるに当たり、総則の中で、「市はこの基本理念にのっとり、市民及び事業者の意見を十分に反映させるように努めるとともに、その施策の実施に当たっては、市民及び事業者の理解と協力を得るための必要な措置を講じなければならない」というふうになっておりまして、やはり市がこれだけ大きな、また前向きに景観形成のルールをつくるのであるならば、今持っている市の、今ほど局長から御回答がありましたルールに関しても、もう少し景観や定住に特化した、そんな条例に変えてみてはいかがかと考えるのであります。いま一度、この件に関しての御回答をお願いしたいと存じます。 ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 景観を大事にしたいという御趣旨からのお考えだというふうに思いまして、むしろありがたく思います。ただ、市の施策といたしますと、多面から措置を講じなければならないということもあるわけでございまして、金沢産材を使ってほしいとか、あるいは今までの在来の工法で家を建ててほしいということは、景観とは即適合する考え方ではありませんが、地場のものを使おうとか、この地の職人を大切に育てていこうとか、そういう金沢ならではの需要、要請というものもあるわけでございまして、行政はこれにもこたえなければいけないと、こういう立場であることをひとつ御理解ください。   〔「議長、16番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○中西利雄議長 16番安居知世議員。 ◆安居知世議員 市長のおっしゃることは、本当におっしゃるとおりだと思います。県産材だけでなく、地場のものをみんなで使う、大切なことだと思っておりますし、そういう職人わざを伝えていくためにも、私たちがみずから、そういう皆さんの技術力が向上できるように使っていかなければならないと思います。であるならば、それはそれでそういう支援の仕方があるのではないか。例えば、定住や景観を支援することとそうやって県産材を使うこと、また、職人さんの技術を後世に受け継いでいくこと、そういうことは分けて支援をすることもこれから考えていかなければならないのではないかと考えます。いま一度、お考えをお聞かせください。 ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 考え方とか論理とか思考方法は確かに違うと。しかし、その思考方法を使う場は一緒なんで、一緒の場で多様なものをみんな合わせて、そして考えていくというのも、これ一つ効果的な仕事の仕方ではなかろうかと、こう思います。   〔「議長、1番、関連」と呼ぶ者あり〕 ○中西利雄議長 1番不破大仁議員。 ◆不破大仁議員 今ほどの安居さんの質問に関連してですけれども、のだめカンタービレの誘致の件でございます。漫画やアニメというと、一昔前なら、「いつまでもほんなもん見とったら、だらんなれんぞ」というようなことを言われたりもしましたが、最近は世界的にも日本の漫画やアニメというものの評価は変わっておりまして、非常に高い評価を得ております。その中で、金沢市もいろいろな媒体を介して、金沢市のアピールをいろんなところで行っていることかと思います。映画を誘致したりとか、いろいろ努力をなさっているかと思います。今、安居議員の質問の中では、そういった誘致のアピールの一環、金沢市のブランド力、ブランディングの戦略として、漫画というものを使ってみてはどうかという、そういう御提案としての質問であったかと思います。お隣の高岡市では、実はアニメの舞台になって、そのアニメが大好きなファンの方は高岡市のいろいろなアニメの中に出てきた神社であるとか建物を見て回る、これをアニメファンの方々は「巡礼」という名前をつけて、そういった場所を回るというようなことを行っておるそうです。金沢でも、どういうアニメ--のだめカンタービレに限定する必要はないかと思いますが、アニメ、漫画、そういった媒体、せっかくイート金沢もやっておるわけですし、そういったことから考えますと、こういった媒体に対しても積極的な働きかけがあってもいいんでないかなと思いますので、もう一度御答弁いただけたらと思います。 ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 今度、議会にものづくり基本条例を提案させていただきました。このものづくりの中にもアニメが含まれ、映像が含まれるわけでございますし、我々金沢市のまちの特質から考えますと、学術文化に根差したものづくりの大切さというものをつとに感づいてまいりまして、だからこそイート金沢というものを早々と立ち上げてきたわけでございまして、今度、私どもはこのイートに子ども塾をつくろうと、こんなことも予算で提案をしているわけであります。まずは、基盤をしっかりと整えると、そのことが何よりも先決だと、こう思っている次第でございまして、このことは、例えば歴史都市の認定を受けるに当たりましても、実際に文化遺産を大事にする、歴史遺産を大切にする、そういう施策をいろいろと講じてきて、その基盤の上に立って初めて認定があったというふうにお考えをいただいて、我々のなすべきことは、まずは基礎をきちっと固めると、これが金沢の将来に対して欠かせぬことと、そして一番大切にしなきゃならぬことと、こんなふうに市長は思っておると、こう申し上げます。 ○中西利雄議長 14番松村理治議員。   〔14番松村理治議員登壇〕   (拍手) ◆松村理治議員 一般質問の機会を得ましたので、私の思いを入れながら、以下の点についてお尋ねをいたします。 今冬は、私の予想していたとおり少雪で、桜便りは早まるようであります。しかし、昨年来の世界的同時不況は百年に一度の経済危機と呼ばれ、先行き長引き、予想のつかないものとなっています。我々を取り巻く多くの面で深刻な打撃を受け、厳しい冬の到来を思わせるものがあります。企業減益、赤字休業、派遣切り等々の活字が新聞紙面をにぎわさない日はないようで、今、市民・国民の最大関心事は、景気・経済・雇用の対策であると言ってもよいでしょう。これらを思うとき、アメリカの予備選挙を激戦の末、勝ち抜き大統領選挙も制し、第44代アメリカ大統領となったバラク・オバマ氏の勝利演説、1月20日の大統領就任演説に注目し、光明を見出したいのであります。勝利演説の「Yes We Can--そう、我々にはできるのです」、就任演説の「New Era of Responsibility--新たな責任の時代」、そして「Change--変革」の3つの言葉・フレーズは、世界の多くの人々に共鳴、共感を呼び、私も深く心に刻んだのであります。市長は、これら演説をいかに受けとめられますか。感じられたことをお聞かせいただければと思うのであります。 一方、国内に目を転ずれば、今多くの難題・課題が山積しているのであります。すなわち、定額給付金、国家公務員の天下り・渡り、消費税問題等々が挙げられるでありましょう。国の問題は、また我々地方の問題でもあります。市長の気づき感じられることを伺っておきます。 このような状況のもと、質問する第1点は、平成21年度予算についてであります。 まず初めに、例年のこととはいえ、かつてない予算編成をなされたことと推察いたしますが、苦心された点を幾つかお聞かせ願えればと思っています。 入るをはかって出ずるを制することは、予算の原則とはいえ、市税のうち法人市民税は、対前年度当初比26億円余の減と多額であります。厳しい状況を理解するものの、何としても予算額の確保に努められるよう願っておきます。次年度以降の見通しについてもお聞かせいただければと思っています。5年後の北陸新幹線開業に備えての対応はもとより、地域緊急経済対策は何より最優先とすべき課題であります。そのため、公共事業を拡充する予算は、ぜひ景気浮揚と雇用創出につなげていただきたいものであります。補助・単独の諸事業に万全で取り組むことを期待するが、意欲のほどをお聞かせください。 待望の仮称鈴木大拙館は、いよいよ建設の基本・実施設計に着手することになります。アメリカ映画アカデミー賞で外国語映画賞を受けた「おくりびと」、直木賞受賞の「悼む人」は、今、多くの人々の心に強く訴えるものがあります。郷土の偉人鈴木大拙氏の思想などに触れることも、市民はもとより、多くの人々が望むことでありましょう。畳を取り入れた瞑想スペースの確保、金沢産木材の使用、周辺の本多の森に合う建物となることを切に望むものであります。いかがでありましょうか。 4月4日オープン予定の近江町交流プラザは、ちびっこ広場、食育広場、市民サービスセンター、市場関係施設等、多様な機能を備えていて、市民、観光客が訪れ、にぎわう近江町市場の核となること受け合いと考えます。彦三公民館や玉川の両図書館と連動したにぎわい、活気づくゾーンとなることを願い、市長の思いのほどをお聞かせ願います。 第2点は、歴史都市と創造都市についてであります。 本市は、これまで11の都市宣言を行ってまいりましたが、うち7つは市長在任中のものであります。これら宣言にうたわれている「恵まれた自然、歴史的街並み、香り高い伝統文化」を有する本市は、これらの形成、発展、継承に鋭意取り組んできたのであります。いわく、歴史的建造物整備、用水・みち筋整備、まち並み保存、都市景観、文化財保存など整備事業であります。ここに来て、国の歴史都市認定第1号を受けたことは好機ととらえ、心から喜びたいと思うのであります。「景観市長」と呼ぶにふさわしい山出市長の多年にわたる御尽力のたまものであり、心から敬意を表する次第であります。時あたかも本年は市制120周年を迎え、記念すべき年の8事業を初め、歴史都市認定を受けての35事業など、新年度予算に数多く盛り込まれたことは、まことに意議深いこととして高く評価いたします。中でも、平成の大修復である辰巳用水の修復、鞍月用水の開渠化は、一つの金沢風景を現出すること疑いないのであります。ぜひ保存管理・修復、整備等に万全を図ってもらいたいものであります。 一方、創造都市ネットワークの登録活動の推進は、歴史都市づくりと相まって、重点・重視取り組みをお願いするものであります。本市を訪れる人たちから、「金沢がすばらしい」「いいね金沢」との言葉が投げかけられ、今後の世界遺産登録につなげるためにも、これら取り組みいかんだと言っても過言ではありません。市長のこれからの取り組みの決意のほどをお聞きしておきます。 第3点は、農業についてであります。 3点に絞り伺うことにいたします。 我が国の農業は、40%を切る食料自給率の問題を初め、多くの問題を抱えているのであります。本市にあってもまた同様、農地の減少、農家率の低下、農業従事者の高齢化、担い手の不足など懸念されております。しかし、近時、意欲ある農業の担い手、加賀野菜に代表される金沢ブランド農産物の生産・販路拡大、地産地消に明るさを見出せるのであります。ぜひ支援していただきたいものであります。確かに、日本の農業は、半世紀余の戦後の政治・政策に大きく左右され、さまざまな時代的展開を見せてきたが、今、チェンジすべきときにあると申すべきでありましょう。本市農政に思いをいたし、次のことをお聞きするものであります。 1つは、平成19年3月に策定された金沢の農業と森づくりプランは、8つの基本方針と20の重点施策を展開することになっていますが、2年を経過するに効果をどう評価されておられますか。 2つは、平成6年4月に開設した市農業センターは、都市型農業の振興と産地の育成の強化を図るため、新技術の普及や地域に密着した産地づくりの強化、研修や交流の場として、農家を初め、広く市民が利用できる施設であります。業務内容のうち、加賀野菜の保存と振興と、農業大学校の運営は注目したいものであります。地産地消は時代の要請であり、地域の元気を呼び起こすものであります。企業の農業への参入による市との協力協定の考えのほどを伺うとともに、拡大する意向の有無についてお聞きしておきます。団塊世代の人たちが家庭菜園などに関心が高まっていることを聞くに、何か対策がないか。農は国のもとであり、農業センターへ期待するが、いかがでありましょうか。 3つは、金沢競馬についてであります。夢と感動を伝え、60年の歴史ある金沢競馬は、その存続・廃止をめぐり、検討委員会から多くの提言を受け、改善計画の取り組みがなされているところであります。平成19年度から21年度までに単年度収支が黒字にできなければ、廃止が検討されるのであります。このことで、委員会の各委員、さらに昨年の6月議会で、我が同僚議員の粟森議員からも一般質問があったように厳しい現状を見るに、懸命な努力あるのみと言えます。そこで、20年度の最終収支は600万円余の赤字とのことであるが、新年度の収支見通しを問うことにいたしておきます。人馬一体、迫力あるレースは見る者をくぎづけにするものであり、金沢競馬のファン呼び込みに主催者の県・市はもとより、競馬関係者の不退転の取り組みをお願いいたしておきます。 第4点は、行政評価についてであります。 ここに来て、行政に対する評価・効果が何かと問われていることは必定かと思われます。すなわち、行政改革のことでありますが、市は数次にわたる行政改革大綱の策定、行政評価の試行・導入などを経て、平成18年1月には市集中改革プランの策定、行政評価に第三者評価を本格導入いたしました。取り組みは着実に進められ、効果が上がっていることは疑いないと理解いたしていますが、今次の厳しい社会状況等から見直しの必要性がないか、とりわけ1次評価は、各担当課で全事務事業の必要性、有効性、効率性、優先性、公平性を評価するとしているが、全庁的に統一された評価がなされたのかどうか。また、この市集中改革プランは21年度までの期間となっていることで、新たな集中改革プランと第5次大綱の策定について、あわせ伺っておきます。 第5点は、市民相談についてであります。 市の広報広聴は、市政を推進する上で非常に重要な機能を持っていることは申すに及びません。このうち市民相談は、市民の生活上の心配事や悩み事などを身近に相談に応ずる必要不可欠な事業であります。相談内容は、市政相談、法律・登記・不動産取引の相談、交通相談のほか、市民相談となっています。これらを専任相談員と専門資格の相談員によって対応されているのであります。 そこで、お尋ねすることは市政相談についてであります。その相談内容と傾向はどうか。担当所管課との連携・解決は十分か。不況、雇用支援相談など、新たな相談にも適切な対応を願うがどうか。また、各市民センターでの市民相談に応ずる考えについてはどう思うか。さらに、市内に出向く職員が市民に接して受ける市政相談で回答できないものにいかに対応すべきか。以上、伺っておきます。 最後は、教育についてであります。 思うこと、気づくこと、3つをお尋ねいたします。 人は、生きていくために、多くのことを学ばなければなりません。その一つに、自然との共生があります。大自然によって、人間は生かされているのであります。自然体験学習は、豊かな自然環境のもと、集団宿泊生活を通じて、人間的触れ合いや自然との触れ合いを深めるとともに、地域社会への理解を深めるなど、学校生活で得られない貴重な体験をするものであります。このことは、児童・生徒の健やかな成長ときずなづくりにつながります。本市には、キゴ山を中心に格好の自然体験施設がありますので、ぜひ、これらの利活用を進めなければなりません。体験学習の推進について御見解を伺っておきます。 また、人は体を動かすことと頭も働かさなければなりません。頭を使うだけでなく、体も動かさなければ豊かな発想に結びつきません。昔から人はそのことを知っているので、文武両道を唱えていたのであります。すなわち、読み書きそろばんをやったらそれだけでなく、剣道、柔道、弓道も同時にやったわけであります。頭と同様に体を動かすことは、健康のかなめと言えるのであります。学校教育で部活・スポーツと学科の両立こそが肝要と思うが、文武両道についてどう考えるか、所見を伺うものであります。 季節は、今、別れと出会いのときであり、卒業、入学、そして就職があります。学校を巣立つ生徒たちにはなむけの言葉を贈るとしたら、教育長はどのように伝えられるかをお聞きして、私の質問を終わります。   (拍手) ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 14番松村議員にお答えをします。 まず、オバマ大統領の演説をどう聞いたかということでございました。アメリカ国民を鼓舞したというふうに思いました。自分についてきてくれたら、アメリカのあすがあるんだと言わんばかりでございまして、私は説得力はあったと、すばらしかったと、こう思っています。ただ、大統領にとっては、これから景気対策、金融危機、ビッグスリー、人種差別、こういうことについての難問はたくさんあるわけでございまして、どんなふうに解決をされていくのか、わずかな力しかない一市民ですけれども、大変興味深く思います。 あわせまして、定額給付金、渡り、消費税問題等について、私の感じをお聞きになりました。私は、定額給付金はもともと減税の話だったと、こう思っています。国家公務員の天下りとか渡りのこともさることながら、人事院の一部機能を内閣人事・行政管理局へ移す、こちらのほうが重要だなと、こんなことを思いますし、消費税問題につきましては、社会保障制度とあわせて税制全体の抜本改革が議論されていいと、こんなふうに思いますと、当面を事することではなくして、これからのあるべき姿全体について、わかりいいメッセージが欲しいと、こんなことをつくづくと感じています。   〔議長退席、副議長着席〕 予算編成方針について、お尋ねでございました。この中で、苦心したのは何かということでございました。税収が落ちまして、財源も限られていますので、この中で暮らしをどうするのか、公共事業をどう拡充していけるのか、いけないのか、中小企業の支援、雇用の創出、こんなことに苦労をしたことは当然でございますし、料金はできるだけ抑えたいというふうに思いましたが、国民健康保険料は最大の苦労点だったと、こう申し上げておきます。 法人市民税はこれからも落ちるのかと。落ちるだろうというふうに思います。あらゆる業種で業績が落ち込んでまいりまして、法人市民税は大きな減額になっています。これからも税収減が避けられぬということになりますと、運用をどうするか、収入の確保、それから執行面での工夫、こんなことにみんなで努力をしなきゃいけないと、こう思っています。 公共事業についてお尋ねになりました。20年度の最終補正予算では、中学校校舎の耐震化等、全部で22億円余の公共事業の前倒しを行ったわけでございますし、21年度の当初予算におきましても、補助・単独を合わせますと31億円の増額を図ったところでございまして、執行に当たりましては切れ目のない早期発注を目指していきたいと、こう思っています。 鈴木大拙館のことは都市政策局長からお答えをしまして、近江町交流プラザのことであります。市場そのものは、今までの雰囲気を残し得たことを私は大変よかったというふうに思っています。その中で、3、4階につくるのが交流プラザでございますが、できるだけ多様な世代が交流できるような、そんな施設にしていきたいと、こう思っています。当然のことながら、玉川こども図書館との連携と、こういうことをやっていかなきゃなりませんし、市場の食材を活用した食文化の啓発、こんなこともしていきたいというふうに思っていまして、何としても、にぎわいの拠点になるように努力したいと、こう思っています。 次に、世界遺産登録に向けた歴史都市、それから創造都市の取り組みについてお尋ねになりました。創造都市ネットワークへの登録がもしもできたら--前提を置かなきゃなりませんが、工芸なんかの手仕事、これの新しい発展につながるように努力をしなきゃいけないというふうに思っています。そして、創造都市というのは、金沢の歴史遺産のうちの文化的景観、これにかかわるわけでございまして、だとすると、創造都市も歴史都市も世界遺産登録も軌は一つだと、こんなふうに思えてなりません。したがって、それぞれに取り組みを強化していかなければいけないと、こう思っています。 農業のことにお触れでございまして、仰せのとおり、農は国のもとだと、私もそう思っておりますが、この農が崩壊をしつつあるというのが現況でありますとすると、いま一度、原点に立ち返って、農業を大事にしなきゃいけないと、こう思っています。 農業と森づくりプランのことについては農林部長からお答えしまして、私からは農業参入のことについてお答えをします。農業参入を企業に促したいと、こう思っています。企業と市の間で協定を締結することになるわけですが、この協定におきましては、農地を適正に管理してほしいと、農道・水路等の使用には地域の取り決めを守ってほしいと、こんなことを義務づけたいというふうに思っています。農業の従事者が減っているわけでございますと、企業が農業に参入をするということは、農業の新しい担い手になるわけでございます。そして、耕作放棄をされた地面の解消でありますとか、地域農業の活性化に役立つわけでございますので、大きい期待を寄せたいと、こう思っておる次第でございます。 家庭菜園の対策は農林部長からお答えをいたしまして、また、競馬のことにつきましても、農林部長からお答えをいたしますが、なかなか事柄は容易ではなかろうと。夢と感動を伝え得るのかと、迫力を見せつけ得るのかということになりますと、私は、現実は大変厳しいんではなかろうかと、このように思っておる次第でございます。 行政評価につきましては、総務局長からお答えをし、市民相談については、市民局長からお答えをいたします。 以上であります。 ○山野之義副議長 丸口都市政策局長。   〔丸口邦雄都市政策局長登壇〕 ◎丸口邦雄都市政策局長 鈴木大拙館について、畳を取り入れた瞑想スペースの確保や金沢産木材の使用、周辺の本多の森に合う建物を望むがとのことでございました。施設の基本的な考え方につきましては、昨年来、学識経験者等から成る整備検討懇話会におきまして議論を重ねてきたところであります。先般、取りまとめられた報告書では、仰せのように、施設は金沢風の意匠や仕様にするとともに、周辺の斜面緑地との一体性に留意すべきなどの提言がなされたところでございます。設計に当たりましては、細部について、いろいろと研究をしてまいりたいと存じております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 米林農林部長。   〔米林憲英産業局農林部長登壇〕 ◎米林憲英産業局農林部長 金沢の農業と森づくりプランが策定後2年を経過したが、効果をどう評価しているのかという御質問にお答えします。金沢の農業と森づくりプランは、担い手の育成を初め、農林産物のブランド化や利活用の拡大など、当面する課題を重点施策として位置づけており、現在、施策の具現化を計画的に進めているところであります。まず、担い手の育成につきましては、金沢農業大学校の運営は順調に推移をしており、金沢林業大学校につきましても、この4月に開校することといたしております。農林産物のブランド化につきましては、加賀野菜などは全国的にも知名度が高まってきており、金沢産木材も間伐材を中心に新たな活用の方法が広がってきております。プランの目標は、徐々に達成されつつありますが、農林産物の生産・供給量の拡大や農山村地域の活性化など、引き続き取り組まなければならない課題もあり、今後とも、もろもろの施策を積極的に推進していく所存であります。 次に、団塊世代の人たちが家庭菜園などに対して関心を高めているが、何か対策がないか、農業センターに期待するがいかがかという御質問でございますが、農業センターは産地に密着した栽培技術の指導による生産振興のほか、農業の担い手の育成や農業に対する市民の理解を深めることなどを担っております。団塊の世代で家庭菜園を楽しみたい方には、市民を対象とした野菜づくり講座に参加していただき、本格的に農業に取り組みたい方には、農業大学校で研修を受けていただきたいというぐあいに思っております。 次に、競馬事業の新年度の収支見通しを問うという御質問がございました。平成21年度の収支見込みにつきましては、競走馬の確保や東海地区、岩手、九州など他場とのさらなる連携強化を図るとともに、売り上げの多い旧盆期間の開催日を確保することなどにより、収支均衡を目指しております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 武村総務局長。   〔武村昇治総務局長登壇〕 ◎武村昇治総務局長 行政評価につきまして、3点ばかりお尋ねがございました。 まず、行政評価の見直しについてお答えをいたします。行政評価は、市民ニーズや社会状況の変化を踏まえまして、事務事業の必要性や有効性などを評価いたしまして、市民への公開を通じ、透明性の高い市政運営を図るものでございます。事務事業の評価を行うことで、事業の廃止や縮小だけでございませんで、必要性の高い事業につきましては、その充実強化にもつなげることができると考えております。今後とも適切な行政評価に心がけまして、施策の重点化を図ってまいりたいと考えております。 次に、全庁的に統一された1次評価が必要とのお尋ねがございました。御指摘のとおりでございまして、1次評価に際しましては、各課にわかりやすいマニュアルを示しまして、行政評価の統一を図っているところでございます。さらに、評価の精度と客観性を高めることも大事でございますので、行政経営や財政などの課によります2次評価を行いますとともに、第三者評価委員会や行政改革推進委員会で、学識経験者、市民代表の方々の御意見も伺っておるところでございます。 最後に、新しい行革大綱の方向性やスケジュールなどについてお答えをさせていただきます。厳しい経済情勢や地方分権のさらなる推進、こうした観点から、新しい行革大綱につきましては、人材の育成や活用、組織体制の見直し、財政の健全化などを柱といたしまして、明年度末までに取りまとめることといたしております。あわせまして、22年度から5カ年間の具体的な取り組み事項を盛り込みました行政改革実施計画、いわゆる集中改革プランでございますが、これも策定をしてまいりたいと考えております。今後、行政改革推進委員会や市民の方々の御意見を幅広く伺いながら、議会へもお諮りをいたしまして、策定を進めることといたしております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 東元市民局長。   〔東元秀明市民局長登壇〕 ◎東元秀明市民局長 市民相談に関して幾つか御質問がありました。 まず、市政相談の内容と傾向、担当所管課との連携のこと、市民センターでの相談のことなどでありますが、市政に関する相談では、転入等の手続や年金、健康保険など、市民生活に直結した相談が多く、また、弁護士などの専門家による特別相談では、相続、離婚などの家庭内の問題、不動産に関するものなど、世相を反映した相談が多くなっています。件数は、年間7,000件程度で推移しています。また、市民相談室で対応できない事案につきましては、所管の担当者を相談室に呼ぶなど、連携をとりながら対応しており、内容によっては弁護士、司法書士等へ誘導するなど、多様化する相談に的確に対応できる体制をとっています。 市民センターでの相談ということにつきましては、相談者のプライバシーの保護が不可欠となりますし、専任の相談員の配置も必要となりますことから、市民センターでの対応は難しいと考えています。また、市内に出向いた職員が市民から受けた相談で、その場で回答できないものにつきましては、一たん持ち帰った後、口頭あるいは文書で回答したり、事案によっては再び現地に出向くなどの対応ををしています。市役所は、文字どおり市民のお役に立つところでありますので、市民からの相談にはきめ細かく、親切、丁寧な対応に心がけてまいりたいと存じます。 次に、不況・雇用支援相談など、新たな相談にも適切な対応を願うがどうかとのお尋ねがありました。今回の景気・雇用の悪化にかんがみ、既に昨年12月に、産業局内に緊急の雇用と金融の相談窓口を設け、専門の職員を配置して対応しているところであります。これまでも、弁護士、司法書士による多重債務相談の窓口を設けたり、新年度には市民の生活不安に対応するため、新たに生活設計相談の窓口を設けるなど、アンテナを高くして市民の相談需要にこたえていきたいと存じます。 以上でございます。 ○山野之義副議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 教育についてお尋ねがございました。 本市には、キゴ山を中心に格好の自然体験施設があるので、これらの利活用を進めなければならない、体験学習の推進についての見解はとのお尋ねでございました。自然体験学習は、子どもの豊かな心をはぐくむため、大切なことであると思っております。キゴ山周辺施設は、多様な世代が豊かな自然環境に触れながら体験学習を行う場として、再整備を進めているところであり、子どもたちの宿泊体験など、大いに活用していきたいと考えております。また、里山・里海での体験活動を目的とし、子ども里山里海交流事業を新たに実施するなど、体験学習を推進してまいります。 学校教育において、部活動やスポーツと学科の両立こそ肝要だと思うが、文武両道についてどう考えるかとのお尋ねでございました。児童・生徒が健やかな体とともに、幅広い知識と教養、豊かな情操と道徳心をはぐくむ文武両道は、大切であると思っております。 学校を巣立つ生徒たちにはなむけの言葉を贈るとしたら、教育長はどのように伝えるかとのお尋ねでございました。卒業生には、「一人一人が大切な人であることを忘れないでください。周囲の人に感謝し、夢に向かって努力してください」と伝えたいと思っております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 11番角野恵美子議員。   〔11番角野恵美子議員登壇〕   (拍手) ◆角野恵美子議員 発言の機会を得ましたので、公明党議員会の一員として、以下、数点にわたり質問いたします。 質問の第1は、本市の子育て支援策について何点かお尋ねいたします。 初めは、赤ちゃんの駅についてです。核家族化が進み、地域の人間関係が希薄になってきたことから、在宅で子育てする母親の育児不安の高まりや孤立化が社会問題化し、それが少子化や児童虐待の背景にもなっているとの指摘もあります。平成18年6月、板橋区では子育てを支援する取り組みの一環として、赤ちゃんの駅事業を始めました。赤ちゃんの駅とは、子育て中のお母さんが気楽に外出できるように、区立児童館や保育園でミルク用のお湯の提供や授乳ができる場所、おむつがえのできる場所がともに提供できるスペースのことです。先日、板橋区立グリーンホール3階にある赤ちゃんの駅を見てきました。部屋の一角をカーテンで仕切っているだけの既存のスペースを有効活用し、低予算で実施できるのが魅力で、平成18年6月開始時には区内84施設での実施だったのが、平成20年9月現在では125施設までに拡大されております。そこで、本市でも、乳幼児を抱えたお母さんがもっと気軽に外出できるように、授乳やおむつがえが安心してできる場所として、市役所、児童センター、公民館、図書館、保育園、幼稚園などを仮称赤ちゃんの駅として開放してみてはいかがでしょうか。今後の取り組みについて、本市の施設に赤ちゃんのおむつをかえるためのベビーベッドなどの設備はどの程度整っているのか、また、施設内のトイレのおむつがえの設備はどのようになっているのか、現状をお伺いして提案させていただきますので、お考えをお聞かせください。 私は、金沢駅あじわい館内に金沢駅こどもらんどがあることを最近まで知りませんでした。そして、新年度から大きくリニューアルされるようですが、どのように建てかえ、今後どのような内容の施設にしていかれるのかお伺いいたします。 それと、もっと多くのお母さんたちが気楽に立ち寄れるような状況として、まず、どこにあるのかということを知らせることが必要になってくると思いますので、このことについてはどのような形で表示して知らせていくのかお伺いいたします。 次は、赤ちゃんカフェについてです。また、板橋区では子育て支援の一環として募集した赤ちゃんカフェの認定第1号を決定し、乳児を抱える区民の利用が始まりました。有機野菜や有機米などでつくったヘルシーな食事を提供するほか、授乳やおむつがえのスペース、絵本やおもちゃのある遊び場所を設けるなど、子育て中の親子が気軽に立ち寄ることができる親子カフェで、認定基準には禁煙または分煙、店舗の中や外にベビーカーを置くスペースの確保ができることも挙げられています。先日、本市にあるキッズカフェに行ってきましたが、多くの親子連れが来ており、とても楽しい雰囲気でした。そこで、本市でも、市内にある空き店舗を利用して、赤ちゃん連れでも気軽に立ち寄ることができ、あるときはセミナーを主催したりする赤ちゃんカフェ認定事業に取り組んでみてはいかがでしょうか。本市には、1枚当たり600円相当の券を50枚交付される金沢子育てサービス券がありますが、例えば、赤ちゃんカフェにはお母さん・お父さん1人につき利用券は1枚、市立体育館の利用にはお母さん・お父さん1人につき利用券1枚、男女社会参画が企画する催し物には、お母さん・お父さん1人につき利用券1枚など、金沢子育てサービス券の利用できる範囲の枠をもっと広げ、親子一体の子育て支援に使えるような取り組みをしていくお考えはないのかお尋ねいたします。 質問の第2は、母子健康手帳についてです。 妊娠・出産・子どもの健康の記録が1冊にまとめられた母子健康手帳は、実は日本独自のもので、このような世界に誇れる日本独自の母子手帳が、現代の核家族の中で最近見直されてきています。愛知県小牧市では、お母さん、そしてお父さんにも子どもとのきずなを深めてもらおうと、親子健康手帳として改編。特徴は親から子へのメッセージを書き込めるようになっていて、子どもが大きくなったときに両親から愛されて育ったことが伝わり、自分を大切に、他人に思いやりを持つことができるようにとの思いが込められているそうです。また、今までと違って、義務教育終了の中学3年生までの成長の記録が書き込めるようになっており、心と体の変化の著しい時期を親子して乗り越えられるよう工夫されています。本市の母子健康手帳も、中学3年生までの成長記録が記入できるような手帳にしていただければと考えますが、御見解をお伺いいたします。 質問の第3は、本市のがん対策についてお伺いいたします。 平成19年の国のがん対策推進基本計画では、10年以内に75歳未満のがん死亡率を20%減少することとなっています。がん検診に関しては、受診率が欧米諸国に比べて低いことも踏まえ、乳がんや大腸がんなどのがん検診の受診率を50%以上とすること、また、市町村において、がん検診の精度管理、事業評価が行われることが掲げられていますが、受診率50%を達成させるためには、検診ごとにきめ細かな取り組みを行う必要があると考えますが、本市において現在どのような取り組みが行われているのか、また、どんな理由で受診率が上がっていないのか、現状をお伺いいたします。そして、市立病院で何か対応していることがあれば、お聞かせください。 次に、子宮がん検診についてお伺いします。先月、東京で開催された「子宮頸がん制圧を目指して」の公開シンポジウムに参加いたしました。子宮頸がんは、女性特有のがんとしては乳がんに次ぐ発生率で、現在、日本では年間1万2,000人が発症し、そのうち約3,500人が亡くなり、死亡に至らない場合でも、子宮全体の摘出により、妊娠や出産ができなくなることがあります。早期発見、早期治療が必要なのにもかかわらず、若い女性の受診率が低いなど課題も多く、一方、近年、予防に有効とされるワクチンも開発され、子宮頸がんは予防可能とのことでした。パネリストの女性の体験を聞き、精神的な苦しみ、つらさもずっと続いていく大変な病気であることは、私の想像をはるかに超えていました。そこで、本市の子宮がん検診受診向上に向けての取り組み状況をお尋ねいたします。また、本市での今年度の年代別の受診率、また、そのうち子宮がんと診断された人たちはどれくらいになっているのでしょうか、お聞かせください。 次に、子宮がん予防のための啓発活動についてお尋ねいたします。若い世代は、受診そのものに抵抗があると思われます。吹田市では、検診の必要性やがんについて若い世代に関心を持ってもらうための市独自の取り組みをしており、意識調査についても2月後半から実施するなど、啓発活動に努めています。本市でも、若者に対して、一度、意識調査を実施してみてはいかがでしょうか。また、多数の新成人が出席する成人式に子宮がん検診の受診を促すことをお知らせするものを配付したりするなど、何らか工夫して、子宮がんの若年代からの検診の受診率の向上を目指し、早期発見、早期治療の普及啓発を図っていくことが肝要であると考えます。子宮がん撲滅に向け、本市として前向きな検討をお願いいたします。 質問の第4は、社会的ひきこもりに対する支援体制についてです。 最近、お母さん方より、30代になる子どものひきこもりについて、切実な相談をたびたび受けるようになりました。その子どもたちは、家族以外の対人関係をほとんど持たない孤立した状態で暮らしています。ただし、一人で映画を見に行ったり、コンビニに行ったり、さまざまな行動ができる人もいます。しかし、やっぱり対人関係はないようです。長期間、自宅にこもって社会参加しないひきこもり人口は、今や全国で100万人とも言われており、厚労省の対策ガイドライン作成に象徴されるように、社会問題として位置づけられ、年齢を重ねる社会的なひきこもりが長引くと、次第に対人恐怖などの症状が出てきて、精神疾患と見分けがつかない傾向になり、家族だけの対応が限界となる場合も出てくるようです。そこで、本市では、社会的ひきこもりの現状をどのように把握されているのかお尋ねいたします。また、相談件数やその相談の中で、原因や期間の傾向はどのようになっているかお聞かせください。 先日、このような若者たちの取り組みで注目されている東京都足立区のあだち若者サポートステーションを視察してまいりました。ここでの特徴は、ニートやひきこもりなどの対象者の発見から誘導、そして各種セミナーへの参加や、就労・医療機関との連携など、包括的な支援体制をとっている点です。また、「ひきこもりセーフティネットあだち」では、大体15歳から34歳の社会的自立に困難を感じている人たちから、月曜から土曜日の午前11時から午後7時まで、電話やメールによる相談を受け、その後、状況に合わせて直接の来所や自宅や近所の公園等でも相談に応じ、本人の顔の見える取り組みをしています。ところで、本市の現状での対応は、例えば福祉健康センターに親が相談に行っても、「本人に会えないとどうしようもない」とのことで、なかなか前に進める糸口が見えず、親は本当に悩んでいます。新年度から児童相談所の一時保護所が開設され、児童相談所は24時間、365日、電話対応が開始されます。そこで、社会的ひきこもりをしている青年たちにも、電話やメールによる相談窓口の設置や、サポーターの養成講座等を開催して訪問ボランティアを育成するなど、社会的ひきこもりをこれからの大きな社会問題ととらえて、本市におきましても、ぜひ前向きに具体的に、この問題に取り組んでいただきたいと思います。お考えをお聞かせください。 質問の第5は、公文書館についてです。 国や地方公共団体などの行政機関が作成する公文書の管理をめぐっては、年金記録問題で社会保険庁のずさんな記録管理体制が浮き彫りになり、薬害肝炎問題では症例リストが厚生労働省の倉庫に放置されるなどの不祥事が相次ぎました。背景には、我が国の公文書の管理体制が、諸外国に比べて著しく立ちおくれている問題が指摘されています。日本の公文書の保存は、1971年に設置された国立公文書館が中心的役割を果たしてきており、現在、明治以降の公文書や古文書など、約110万冊が保管されています。しかし、古くから近代的な公文書館制度が発達した欧米諸国に比べると、日本では公文書を国民の財産と位置づけるには、その保管と公開の意識が希薄であります。例えば、国立公文書館の職員数はわずか42人にすぎず、片やアメリカは2,500人と60倍で、イギリス、フランス、ドイツも日本の10倍以上の職員数であります。書架の延長を見ても、アメリカは日本の20倍、イギリス、フランス、ドイツは4倍以上の規模を持っています。どの公文書をどの機関の判断によって移管するのかといったルール面でも課題が多く、この保存期間の終了時に国立公文書館へ移管するか、保存の延長や廃棄するかを協議の上で決めています。しかし、省庁側の判断で移管を拒否できるため、保存期間を終了した行政文書の移管率は2004年度でわずか0.5%にすぎません。諸外国では、公文書の移管や廃棄についての最終権限は国立公文書館にゆだねられていることが多く、日本でも国立公文書館の権限をもっと強めて、公文書の管理体制を強化すべきとの声が強まっています。そこで、本市においての公文書館の管理、取り扱いについてお伺いします。 先日、いたばしボローニャ子ども絵本館と同じ建物内にある板橋区公文書館を見学いたしました。この公文書館は、歴史資料としての大切な公文書を選んで整理・保存、また、公文書以外に統計・報告書などの行政資料、板橋区区史編さん過程で収集した資料、写真、地図なども見事なほどに保存、公開されています。中には、金沢市前田土佐守家資料館の前田土佐守家蔵文書や市立玉川図書館近世史料館の加越能文庫も保管されており、櫻井徳太郎が板橋区に対して寄贈した民俗・歴史関係学術書等、約3万3,000点も閲覧できるようになっています。公文書館は全国的に見ても、都道府県が30館、政令指定都市では7館、市町村に至っては15館とまだまだ少ないのが現状です。「金沢は百万石の城下町として、日本を代表すると言ってよい」と聞いております。国の歴史都市第1号認定を受けた金沢は、一言で表現できない奥深い魅力があり、古い歴史があり、そして多くの偉人たちを輩出しています。また、さきの市長提案にもありましたように、ことしは市制が施行されて120周年でもあり、幾つかの記念行事に取り組むこととなっております。そこで、重要な古文書を調査・研究、また、保存・活用して、本市の歴史に関する知識の普及と後世に歴史資料として正確に伝え残していくためにも、市制120周年の記念事業の一環として、「金沢市公文書館」を設置してはいかがでしょうか、市長の御所見をお伺いいたします。 最後に、エコに取り組んでいる市民の方のお話より、提案させていただきます。残飯による食生活の損失11.1兆円、そして農業・水産業の総生産量額12.4兆円と、驚くことに額はほとんど同じになるそうです。そこで、福井県では、ごみを減らす対策の一つとして、家庭だけでなく、飲食店やホテルなどの食べ残しを減らし、おいしい福井の食材を食べ切ることを目的とした「おいしいふくい食べきり運動」を官民で展開しています。具体的には、家庭での取り組みとしては、食べ物を大切にすること、飲食店に対しては、メニューに「小盛りできます」「食べられないものがあれば相談してください」等の表示をしたり、「食中毒の危険のない料理を折り詰めなどで持ち帰り用としても提供」などの協力を呼びかけた結果、ごみそのものの排出も減らすことができ、03年度の1人当たりのごみ排出量は約973グラムだったのが、昨年度は949グラムに減ったそうです。そこで、本市でも広報に努めて広く市民に呼びかけ、飲食店に協力を求めたりするなど、市と市民が一体になり、食べきり運動に取り組んでみることを提案いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。   (拍手) ○山野之義副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 11番角野議員にお答えをいたします。 お尋ねは多岐にわたりまして、子育て支援、母子健康手帳、がん対策と、たくさんあったわけでございますが、それぞれ所管の局長からお答えをしますが、私からはがん対策の検診のことについてお答えをしたいと思います。受診率50%達成のために取り組む必要があるという御趣旨でございました。毎年4月に「健康診査のご案内」を全世帯に配布いたしています。対象者全員に受診券を送付すると、こういうこともしておるわけでありますし、広報活動もいろいろやっておるわけでありますが、なお受診率のさらに向上が必要だと、このように思っています。検診の中身そのものについては、毎年充実をされてきていまして、この20年度から胃がん検診に内視鏡検査を入れると、こういうことをいたしております。この精度管理につきましても、症例の検討会というものを開いてございまして、要精検者の全例チェックと、こんなこともいたしておりまして、金沢市医師会方式というふうに呼ばれています。つい先日、国立のがん検の権威あるお医者さんから、「よそのまちでは金沢のような取り組みはできまい」と、言われたそうであります。こういうことが言われる背景は、金沢市医師会の本当に多年にわたる献身的な努力があるわけであります。決して内容とか仕組みそのものは劣ってはいないというふうに思っておりますが、問題はやはり率を高めるということに尽きるように思いますので、一層努力をしていきたいと、このように思っておる次第でございます。 社会的なひきこもりについての取り組みをお尋ねになりました。これまで相談とか訪問をいたしまして、支援はしてきておるわけでありますが、今度、新たにひきこもりの御本人とか家族のためのサロンみたいなものを開設したいと思っておりまして、泉野福祉健康センターの一室を定期的に開放したいと、こう思っています。ここで、関係の方々に交流をしていただいて、そして個別の相談にも応じていくと、こんな仕組みにしたいと思っています。より実践的に活動をする精神保健ボランティア、この育成にも取り組むことにいたしておりまして、ひきこもりの支援につきましては、さらに力を入れてまいりたいと、このように思っています。 食べきり運動への取り組みもお触れになりました。私も戦時下での小学生、中学生であったわけでございまして、食べ物のなかった時期であります。食べ物を大切にしなきゃいけないという、そういう気持ちは人一倍強いというふうに思っていますし、日常の生活にありましても、自分の分だけは小さい盛り、たくさん御飯は要らぬよと、こんなことは実はよくよく言うことがあります。食べ物を大切にしていく、そういう風潮というものを大事にしていかなければいけないと、こう思っておるわけであります。かなざわ食育プランをつくりました。その中でも、重要な課題にしておるわけでございまして、エコクッキング教室を開いたり、食材を使い切る簡単なレシピの作成をしたり、もったいないという気持ちの涵養を図っておるわけであります。先般、かるたをつくりまして、かるたの中にある言葉ですけれども、「金沢をまるごと全部食べまっし」と、こんなのが一つございます。いろんな機会にこのことを普及していきたいというふうに思っております。4月に近江町の交流プラザが開かれることでございますので、ここでの啓発をやる、また、環境のセクションでリサイクルニュースを発行してございますので、そういう中にも取り入れていきたいと、こう思っておりますし、飲食店の登録の仕組みがありまして、登録協力店に「健康づくりサポート店」という名前をつけておるわけですが、このお店では小盛りのメニューという、そういうものを取り入れてもらおうと、こんなことも一つの意味のあることではなかろうかと思っていまして、協力を求めていきたいと、このように思います。 最後に、公文書館のことであります。歴史資料として重要な公文書等を保存しまして、一般の閲覧に供する施設が公文書館と言われるものであります。金沢市では、藩制期を中心とした郷土資料、それから古文書につきましては玉川図書館の近世史料館におきまして、また、統計書を初めとする行政資料等につきましては市政情報コーナーにおきまして、それぞれ整理をし、保存をして、公開をしているところであります。加えまして、ここに来て、ことしはたまたま市制施行120年の記念でありますので、その事業の一環といたしまして、実はかつて市史を編さんしました。市史編さんに伴ってたくさんの資料の収集が行われまして、それを今、市は持っておるわけであります。ことしあたりから、この資料を有効に活用するための識者による懇話会をつくるということを決めてございまして、公開に向けた検討を行っていきたいと、このように思っておる次第でございます。また、金石の公民館に実は貴重な行政資料がございまして、この発見もされていますので、資料の保存・公開につきましていろいろ研究もしたいと、こう思っておる次第でございます。もちろん、公文書は廃棄された文書の中から大事なものを選んで残していこうということでありまして、このことについては、やはり取り扱いの基準というものも、ちゃんと持っていなければいけないというふうに思います。こんなことについて、ひとつ研究をしていきたいと、このように思っていまして、こんなことをしっかりとやった上で、公文書館の設置ということについて研究をしていくことになると、このように思っておる次第であります。まず、しなければならないことからやる、このように思っています。 ○山野之義副議長 横山福祉健康局長。   〔横山外茂二福祉健康局長登壇〕 ◎横山外茂二福祉健康局長 赤ちゃんの駅につきまして、本市の施設に赤ちゃんのおむつをかえるためのベビーベッドなどの設備はどの程度整っているのか、また、施設内のトイレのおむつがえの設備はどのようになっているのか、お尋ねがございました。子ども連れで訪れる機会の多い施設や近年改修等を行った施設などは、おおむね、おむつがえ設備は整っている状況でございます。 次に、授乳やおむつがえが安心してできる場所として、市役所、児童センター、図書館、保育園、幼稚園などを赤ちゃんの駅として開放してはどうかとの御提案であります。今後、公共施設の改修の際には、授乳やおむつがえスペースの設置を考慮するとともに、既存の設置施設についてはわかりやすい表示等を工夫し、保護者の利用の便宜を図ってまいります。 次に、金沢駅こどもらんどをどのように建てかえ、今後どのような内容の施設にしていくのか、また、どのような形で表示して知らせていくのかとのお尋ねでございます。市民サービスコーナーの移転に伴い、こどもらんどの拡張工事を実施し、改修後は授乳やおむつがえにも利用していただける赤ちゃんの駅としての機能も備えてまいります。また、駅構内での存在をアピールするため、案内表示などの工夫を行うとともに、10月のリニューアルオープンに合わせ、さまざまな機会を通して市民への周知に努めてまいります。 次に、赤ちゃんカフェにつきまして、空き店舗を利用して、赤ちゃん連れでも気軽に立ち寄ることができ、あるときにはセミナーを主催したりする赤ちゃんカフェ認定事業に取り組んでみてはとの御提案でございます。御提案のございました赤ちゃんカフェにつきましては、子育て支援、空き店舗対策及びまちのにぎわい創出の観点から、今後、研究してまいります。 次に、子育てサービス券の利用できる範囲の枠をもっと広げ、親子一体の子育て支援に使えるような取り組みをしたらどうかとのお尋ねでございます。これまでの対象サービスは、保育所での一時保育など、お子さんのお預かりが主となっておりますが、かなざわ子育て夢プラン2010を策定する中で、親子で参加できるサービスに利用できないか検討してまいります。 次に、母子健康手帳について、本市の母子健康手帳も中学3年生までの成長記録が記入できるような手帳にしたらどうかとの御提案であります。現在、金沢市では、母子のための母子健康手帳、母子保健のしおり、小中学生のための健康手帳を策定しておりまして、中学校卒業までの成長記録などが記入できるようになっております。これらを一体化することも考えられますが、内容や管理方法など課題も多いことから、今後の研究課題とさせていただきます。 次に、がん検診につきまして、どんな理由で受診率が上がっていないのかとのお尋ねでございます。ここ数年、受診率は横ばいでしたが、20年度は胃がん検診を除き、低下いたしました。これは今年度から始まった特定健診が各保険者ごとに実施されることになり、社会保険の扶養家族の方などが特定健診とがん検診を同時に受診できないケースが生じたことで、受診率の低下につながったと考えております。 次に、子宮がん検診について、受診向上に向けての取り組み状況及び20年度の年代別受診率とがんと診断された人数について御質問がございました。16年度よりヒトパピローマウイルス検査を全国に先駆けて実施しているほか、18年度より対象年齢を30歳以上から20歳以上に、さらに19年度より対象者を偶数年齢だけから前年度未受診者も受診できるように拡大しております。20年度の年代別受診率は20代4.1%、30代10.7%、40代12.5%、50代以上で9.7%でありまして、検診でがんと診断された方は11名となっております。 次に、子宮がん予防のための啓発活動として、若者に対して意識調査を実施してはどうか、また、成人式でお知らせを配布してはどうかとの御提案でございます。初期のがんにはほとんどの場合、自覚症状がなく、健康なので受けないと考える方が多いことから、御提案のあったことも含めて、今後検討してまいります。 次に、社会的ひきこもりの現状をどのように把握しているか、また、相談件数や原因・期間の傾向はどのようになっているかとのお尋ねでございます。青年期の人たちのひきこもりの現状につきましては、本人や家族からの相談によって部分的に把握しております。平成19年度の相談件数は、延べで46件ございました。ひきこもりに至った要因としては、対人関係、不登校、家族関係、病気等が主でありまして、ひきこもりになった時期は学校在学中からが3分の2で、学校卒業後の諸事情によるものが3分の1の割合となっております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 山下市立病院事務局長。   〔山下義夫市立病院事務局長登壇〕 ◎山下義夫市立病院事務局長 がん検診につきまして、市立病院ではどのような対応をしているかというお尋ねがございました。市立病院では、金沢市が実施しておりますすこやか検診の実施病院として、子宮がん検診と乳がん検診を行っているほか、他の医療機関で受診しましたすこやか検診で異常が認められた方の2次検診を行っております。また、市立病院独自で人間ドックを実施しており、これを受診していただくことにより、乳がんや大腸がんなど、さまざまな部位のがんの早期発見に役立つものと考えております。この人間ドックをより御利用しやすくするため、平成20年4月から料金の引き下げを行うとともに、今後とも市民の方々や企業等への周知を図りまして、多くの皆様に御利用していただけるよう努めてまいります。 ○山野之義副議長 武村総務局長。   〔武村昇治総務局長登壇〕 ◎武村昇治総務局長 本市の公文書の管理、取り扱いについてお尋ねがございました。本市では、文書の取り扱いに関する規程を定めておりまして、その中で保存が必要な文書の種類や保存の年数などにつきまして、統一した基準を設け、取り扱いを行っておるところでございますし、さらに歴史的価値のある文書につきましては、保存期間を延長することといたしておるところでございます。また、文書の保存に当たりましては、専用の書庫で管理をすることも明定をいたしておるところでございまして、この規程に基づきまして、適正な文書の管理、取り扱いに努めておるところでございます。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○山野之義副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後0時7分 休憩--------------------------     午後1時2分 再開 △再開 ○山野之義副議長 出席議員数は、ただいまのところ39名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○山野之義副議長 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番玉野道議員。   〔37番玉野 道議員登壇〕   (拍手) ◆玉野道議員 質問の1点目は、2009年度予算案に関してであります。 さて、戦後最悪の経済危機に直面している中、本市の2008年度税収入は当初見込みより10億円の減収となり、固定資産税の評価年度に当たる新年度は、さらに法人市民税を初め、40億円の減収が想定されております。そこで、予算編成の前提となる本市財政の現況をどのように認識し、中期財政計画の影響も含め、新年度の財政運営をどのような方針で取り組まれるのか、あわせてお尋ねをいたします。 市長は、市民の生活を守り地域経済を活性化させるとして、一般会計の実質伸び率2.2%と8年ぶりのプラスに転じ、普通建設事業費を16.3%増にするなど、金沢魅力発信行動計画や北陸新幹線建設などの重要既定計画事業の推進とともに、歴史・創造都市金沢を世界へ発信するまちづくりへの決意を積極型予算として2009年度予算案に込められたと感じております。一方、税収入の減少により、基礎的財政収支の悪化と社会保障関連の扶助費の増加、さらには景気後退や医療制度改革に伴う一般会計からの国民健康保険会計への20億円余の繰り入れや臨時財政対策債などの実質市債発行額53.2%増など、収入減の穴埋め財政の中で、既に2009年度末には24億円余の赤字が見込まれている国民健康保険会計や社会保障関連費への新たな対応などの必然性から、将来的にも新規の独自施策に振り向ける余地を一段と狭めていると考えます。そこで、施策の見きわめ、行財政改革の推進と魅力発信行動計画などの諸計画の進捗と影響について、あわせてお尋ねをいたします。 また、市長は、予算編成に当たり、「雇用創出や内需拡大に重点を置き、精いっぱいのことをした」と述べられたように、雇用対策の一層の努力を図り、創意工夫を凝らした地域経済の活性化施策に重点を置いて知恵を絞られたと推察をいたします。国は、深刻化する経済・雇用情勢を踏まえ、中小企業支援のための緊急保証セーフティーネット貸付枠や地域の活性化のための地域活性化・生活対策臨時交付金、地域活力基盤創造交付金を初めとする財政支援や景気対策など、75兆円規模の経済対策をまとめております。また、雇用創出向けふるさと雇用再生特別交付金や地域雇用創出推進費を活用した10分野、206事業の雇用事例を示しております。本市では、53事業での雇用創出案が盛り込まれておりますが、これらは自治体の財政負担の軽減を図り、きめ細かく地域の実情に合った地域活性化策と地域での雇用創出対策を可能にしていることから、自治体の知恵と努力が求められております。そこで、国の幅広い経済対策を今予算案にどのように反映されたのか、あわせてお尋ねをいたします。 新年度は市制120年の節目の年に当たり、市長は「先を見通して将来への布石を打ち、新たな価値を創造したい」と述べておられますが、市中心部のまちなか区域で、少子高齢社会に伴う居住人口の減少による限界町会や空き家化した老朽化建築物の存在などは、地域コミュニティーや防災面などの観点からも今後のまちづくりの大きな課題ではないでしょうか。そして、コンパクトな市街地形成に向けて、自転車利用を促すため、都市交通システム整備事業費の国庫補助率が引き上げられたことから、これまで観光客向け中心だったレンタサイクルを、通学や買い物など日常生活の足となる都市型レンタサイクルとしての取り組みを始めた自治体もあります。中には、道路交通法施行規則の改正により可能になった電動自転車の貸し出しを開始した自治体もあります。本市においても、都市交通の充実を図るとして、まちなか自転車利用環境向上計画の策定が明らかにされております。また、まちなか定住促進の強化策として、新年度から駐車場などの低未利用地を宅地化する取り組みを進めることで、まちなか再生と定住人口の拡大に結びつけようとしておりますが、この間、中心市街地活性化基本計画の認定を受け、5カ年計画で施策が推進されております。しかし、内閣府地域活性化統合本部は、各地での中心市街地活性化基本計画の現状が低調なことから、中間報告を求めるとしておりますが、活性化基本計画の現状と課題、今後の取り組みについて、あわせてお尋ねをいたします。 また、周辺自治体と医療・福祉・教育インフラなどの生活基盤を一体的に整備、維持することで、人口の流出を防ぐ定住自立圏構想の中核的な役割を担う中心市に本市も選定されており、周辺自治体との協定締結により、特別地方交付税が配分されることになりますが、この取り組みについてもお聞かせください。 さて、本市では、平成17年度を起点に平成21年度までを計画期間とする集中改革プランに基づき、総人件費改革や公会計制度改革など、行財政改革が進められてきておりますが、計画期間の最終年度を迎え、新たな課題も明確になりつつあると考えます。そこで、最終年度の取り組みと新大綱策定に向けた課題について、あわせてお聞かせください。 また、この秋には、2008年度決算に基づく新財務4指標や公営企業会計の資金不足比率、新地方公会計制度による公営企業会計などの資産・債務改革や公益法人制度改革とともに、今後の行財政運営の方向性を示す必要があると考えます。一方、人口減少・少子高齢社会が抱えるさまざまな課題や、老朽化したインフラ施設の更新など、都市の老いを前提としたシステムづくりや効率的な業務対策の構築に加え、行政コストの見直しを図ると同時に、新集中改革プランの策定を含め、これから取り組むべき新たな行財政改革の方向性をお尋ねいたします。 質問の2点目は、介護保険制度改定に関してであります。 さて、新年度から3年間の市老人福祉計画並びに介護保険事業計画である長寿安心プラン2009が始まりますが、急速に進む高齢社会に伴い、介護の現場では人手不足にあえいでおり、介護・福祉職員の増強は緊急の課題となっております。そして、介護従事者の処遇改善・人材確保と在宅介護重視を目指すために、介護報酬が初めて3%引き上げられました。今回の改定は、事業者が人材確保などの体制を充実させた場合に報酬がふえる特定事業所報酬加算が盛り込まれており、同じサービスでも事業所による報酬加算が異なるため、利用者負担に違いが生じるなど、わかりづらく複雑な改定になっております。また、介護サービスの上限を変えないまま、介護報酬だけをふやしたことから、利用サービス回数を減らすか、上限超えの全額自己負担でサービスを受けるかの選択を強いられることになり、必要なサービスを受けられない方がふえることが危惧されております。そして、経営的には報酬加算を取り入れなければ、待遇改善は難しいと言われておりますし、待遇改善に反映させるかどうかは事業者判断となっていることから、その実効性を疑問視する声もあります。そこで、利用者への説明責任を果たすとの視点や、適切な賃金水準の確保や労働環境の整備などの観点からの検証も含め、事業所の運営内容を公表する制度の一層の整備・充実が必要と考えますが、お考えをあわせてお聞かせください。 また、老老介護や介護する側もされる側も認知症の認認介護が急増している中、今回の改定が訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスより大規模施設での加算に重点が置かれたことから、在宅介護重視の基本政策が棚上げになったと言えます。この間、国の介護給付適正化推進事業による抑制策により、日常生活圏域遵守など、自治体独自のローカルルールの採用や運用により、結果として利用者の多様なニーズが施策に反映されず、保険料を支払う利用者がサービスの種類や事業者を選べるとした「利用者本意」「自己決定」との制度発足時の理念と理想が変質しつつあるとの声もあります。このように、介護保険制度には多くの積み残し課題が存在しております。2009年度から3年間の新介護保険事業計画には、利用者本人や家族の多様なニーズを反映した在宅介護や介護予防の充実策が盛り込まれたと考えますが、お尋ねをいたします。 さて、本市の要介護・要支援認定者数は、2000年の7,962人から2011年見込み数は2万45人と大幅増が想定されております。また、自宅で介護を受けることが難しいお年寄りが暮らし、ついの住みかと位置づけられている特別養護老人ホームの入所待機者数が要介護認定者の8.8%との本県数値は、隣接県に比べ高くなっております。その特別養護老人ホームは、老人福祉法によって福祉施設としての役割を担ってきましたが、介護保険制度では費用を負担すればだれでも入れる施設に変わりました。入所期限もなく、24時間のケアが受けられ、一般的に他の施設よりも費用が安いことから、入所希望者が増加していますが、施設整備が追いついておらず、高齢者福祉の実態に適応した事業計画の策定が求められておりますが、いかがでしょうか。 また、今回の改定は、施設に対しての減算措置の撤廃に加え、他種類の加算と増額の手厚い処遇を背景に、医療療養型病床の削減や、介護療養病床の介護施設への転換が進展するとの声もありますが、あわせてお尋ねをいたします。 さて、介護保険料については、2009年度から11年度までの保険料算出も行われておりますが、今回、国は、介護報酬改定による介護保険料の急激な上昇を抑制するため、2年間の特例交付金での応急措置で対応しております。市長は、国保会計健全化検討委員会の設置に言及されておられますが、本市の高齢者人口における要介護・要支援認定者比率は、2000年の11.2%から2011年見込みは20.1%となっており、介護保険制度の財政仕組みの限界もあらわになっていると言えます。そこで、要支援者や特定高齢者や家族介護者への総合的支援の充実、介護保険黒字化の検証と保険料のあり方なども含めた、介護保険制度の展望などに対するお考えをあわせてお尋ねをいたします。 質問の3点目は、「ノーマライゼーションプラン金沢」に関してであります。 さて、障害者が住みなれた地域で自立した生活を過ごせるようにと障害者自立支援制度が始まって3年。今回の障害者福祉サービスの大幅な報酬引き上げにより自己負担が増加する方が出てくる中、新年度からノーマライゼーションプラン金沢に基づく取り組みが始まります。この制度の発足当時は、それぞれの障害の種類に関係なく、サービスを利用するための障害程度区分の認定と共通のサービスが受けられるなど、それぞれの法律に基づいた縦割りの弊害が是正されると言われておりましたが、理念どおりには進んでいないとの声があります。今回の制度改正では、国の方針が転換され、利用者負担軽減に関する資産要件の撤廃や定率1割負担などの一定の見直しが図られております。また、サービスの種類を簡素化した新しい体系への移行が進むよう、報酬改定により施設から地域への誘導方針を明確にしております。そこで、ノーマライゼーションプラン金沢に基づく障害者福祉施策のあり方と本市の対応について、あわせてお尋ねをいたします。 また、本市でも、計画の見直しの策定に先立ち、調査が実施されておりますが、その調査結果を踏まえた新しいノーマライゼーションプラン金沢に、どのような施策が改善、反映されたのか、お尋ねをいたします。 さて、依然として縦割りと言える障害者や高齢者介護などの相談窓口の行政システムの改善と、包括的な情報を把握する仕組みの構築の必要性が高まっております。また、障害の原因となる病気や事故などにより、だれでもが障害者になる可能性があるにもかかわらず、食事や排せつ、移動など、生きる最低限の支援までが負担を求められ、障害者ゆえにかかる小さな出費の積み重ねも生活を圧迫しております。こうした中、障害者自立支援法の財政ルールでは、市が決定したサービス量の費用が国庫負担基準額を超えると、その超過分は市の持ち出しとなることから、福祉サービスを充実させる自治体ほど負担がふえることになりますが、これに対する本市の考え方についてお尋ねをいたします。 ところで、地域で障害者の福祉的就労を支えてきた小規模作業所の地域活動支援センターへの移行が進められておりますが、定額支払いから日払いとなり、運営基盤が不安定となっている中、他の自治体では補助金の廃止あるいは縮小により、運営に行き詰まる作業所の実態が浮き彫りになっております。一方、一般就労においては、福祉から雇用へ推進5カ年計画により、授産施設などは就労移行支援事業への移行を目指すものの、現在利用されている方のニーズのずれが大きな障壁となり、それに伴う職員配置数などの変更は施設にとっては大変厳しい基準となっております。また、景気の急速な悪化により、雇用の維持や新たな雇用の創出が難しくなっている中、障害者を雇用する事業者や福祉施設への仕事の確保のため、国は自治体に対策を求めており、本市ではジョブコーチの増員を図っておりますが、その処遇面での課題を指摘する声もあります。そこで、就労移行支援事業や地域活動支援センターなどの移行状況と障害者雇用支援策に対するお考えをあわせてお尋ねをいたします。 また、制度の抜本的な見直し論議が進み、新たな支援法改正案の施行方針も示されておりますが、御所見をお聞かせください。 質問の4点目は、「総合治水対策」に関してであります。 今も記憶に新しい昨年7月の浅野川豪雨災害では、河川整備や防災情報伝達の課題が浮き彫りとなり、その対策が求められておりましたが、先月11日に防災情報の強化策として、携帯メールで配信する電光表示端末が湯涌地区に設置されました。そして、今議会に総合治水対策推進に関する条例案が上程され、総合的な治水対策の実施計画にのっとり、今予算案では、約27億円の施策関連費が計上されており、今後、治水対策の推進施策が確実に実行されることが肝要と言えます。しかし、この間、河川整備も含めた治水対策に関しては、予算も少なくなってきており、整備計画の進捗率は低く、対策が追いつかず、結果として河川流域が被災して予算のつく「災害待ち」が実情になっている側面もあると言わざるを得ません。そこで、実施計画による抑制対策の実行と財政的裏づけについてお尋ねをいたします。 さて、災害発生の予測はなかなか難しいことから、日ごろから危険性を知らせるための災害リスク情報や、災害が迫ったときの危険情報などを個別伝達する先進的な取り組みが始まっております。また、本市では、総合治水対策実施計画検討委員会、内水管理強化検討委員会、高度雨水情報システム整備検討委員会がそれぞれの提言をまとめております。加えて、新年度は、国土交通省の仮称水災害予報センターや文部科学省の高分解気象レーダー「マルチパラメータレーダー」の設置、気象庁が2010年度から実施する市町村単位の気象警報発表システム整備も今年度から進められることになっております。そこで、これらの情報システムの一元的施策の実施と整合性のある高度雨水情報システムの今後の取り組みについてお尋ねをし、私の質問を終わらせていただきます。   (拍手) ○山野之義副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 37番玉野議員にお答えをいたします。 まず、新年度の予算案に関しまして、本市の財政状況、また、財政の運営についてお尋ねになりました。法人市民税を初めといたしまして、総額40億円余の市税減収ということになるわけであります。こういうことがございますので、やはり内需の拡大が大事だというふうに思いまして、公共事業の拡充、そして早期発注、このことに配慮をいたしますとともに、反面、きめ細かな雇用の対策、それから中小企業への資金繰り、この支援、そして公共料金の抑制、こんなことに力を入れたつもりでございます。厳しくなりますので、財政の運営に当たりましては、国からの補助金等の依存財源の確保、こういうことについていろいろ情報等を得まして、そして、きめ細かに対応していかなければいけないというふうに思っていますし、税等の滞納の整理、こんなことも必要になってまいりますし、歳出面では仕事の計画的な執行、こんなことに配慮をしていかなければいけないわけであります。これから後、国も引き続いて経済対策というものを打ち出してくる、そんな可能性もあるし、これは市としても受けていかなきゃならぬということがございまして、この財源といたしますれば、特別需要予備費、これを使っていきたいと、こんなことを思っておる次第でございます。 それから、施策を見きわめたり、行政改革も必要だということでありました。今まで財政を健全に運営したいと思いまして、計画的に市債の繰り上げ償還をしてきたり、職員定数の削減、こんなことも柱にいたしまして、行政改革を実践してきたわけであります。機動的で柔軟な財政運営というものを意図してきたつもりでございますが、これからも行財政改革にやはり真剣に取り組むということは続けていきたいというふうに思いますし、あわせまして国の財源というものの活用、これについてはいろいろ努力をしていかなければいけないと思っておりまして、こんなことをやりまして、いろんな市の計画があるわけでございますので、計画は計画どおり実践をしていきたいというふうに思っておりまして、いろいろ工夫をして、そして遺憾のないようにしていきたいと、このように思っています。 雇用の創出と内需の拡大策につきましてお尋ねがございました。政府のほうは、生活防衛のための緊急対策といたしまして、交付税は別枠に1兆円をふやすということをいたしましたし、そのほかに補正予算で緊急雇用の創出とか、安心こども基金の設置ということもなさいました。そんなこともございましたので、これらをうまく活用していきたいと、こう思っています。こうした国の措置について、よくよく勉強もいたしまして、そして、活用できるものは最大限に活用をしていくと。金沢弁で「はしかい運営」といいますか、こんなことをやらなきゃいけないということを既にみんなで言い合っておるんでございます。先ほども申し上げましたけれども、特別需要予備費は7億円ございますので、これをうまく活用していったら、まあ何とかしのげるんではなかろうかと、また、しのいでいかなきゃいけないと、こう思っておるんであります。 中心市街地活性化基本計画のこと、そして定住自立圏のことは所管の局長からお話をさせていただきますし、新しい行革大綱のことについては、これも所管の局長からお答えをいたします。 そこで、介護保険制度の改定についてでございますが、私からは施設の整備についてお答えをしたいと思います。特別養護老人ホームにつきましては、平成21年度からの3年間で7カ所、201床の整備を予定いたしています。この数値が万全であるとは思っていませんけれども、中核市で見ますと最も高い整備率ということになろうかと思っています。このほか、グループホームは162床、ケアハウスは80床と、こういうことを進めてまいりまして、需要にこたえていきたいと考えている次第でございます。なお、療養病床のことがあるわけでございますが、平成22年度に診療報酬の改定があるというふうにお聞きをいたしておりますので、そういうこともありますと、この療養病床については当面大きい動きはないものと考えておりますが、利用者の生活に支障が生じないように、いろんな動向、情勢をよく見まして適切に対応をしてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。 介護保険制度の展望についてお尋ねになりました。今期の介護保険財政は、療養病床再編の影響で介護療養病床が減りました。所得の高い方が多かったと、こんなこともありまして、保険料収入の増がありまして、剰余金を生ずるということになったわけでございますが、高齢化の進展によりまして給付費は今後もふえ続けるだろうというふうに思います。そういたしますと、次期の保険料は基金の取り崩しによりまして据え置くことはできたわけでありますが、将来のことを考えますと、やはり引き上げざるを得ない状況が出てくるというふうに思っています。介護保険を持続可能な制度としていきますためには、高齢者の社会保障を抜本的に見直す必要があると、このように思っておりまして、市長会等を通じまして、国に安定した制度運営のための施策の確立を求めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。 ノーマライゼーションに関連をして幾つかお尋ねがございましたが、私からは支援法の財政ルールについてのお答えをさせていただきます。国庫負担基準額の適用を受けますところの居宅介護を初めとする訪問サービス、これは国の義務的経費でございます自立支援給付事業ということになっています。金沢市のようにサービスの充実を図っている自治体にありましては、過度の負担とならぬように、市長会を通じまして要望をしていく所存でございます。 障害者の制度の抜本的見直し論議につきましてお触れでございました。地域生活の基盤整備の充実を図る改正案--お話にもございましたが、この改正案の施行方針についての報道はあったわけでございますが、具体的な内容についての指示というものはまだございません。今後、国の動向はよく見てまいりたいと、このように思っています。 次に、総合治水対策についてお尋ねがございましたが、実施計画、そして財政措置をどうしていくのかというお尋ねにお答えをしたいと思います。治水対策といたしますと、河川整備5カ年計画を策定いたしまして、都市基盤河川、それから準用河川の整備を計画的に進めてまいるつもりでございますし、流域対策といたしましては、市と市民と事業者との協働によりまして、雨水の貯留・浸透施設の設置を進めてまいりたいと思っております。これやあれやを通じまして、水害に強いまちをつくっていきたいと思っておるわけであります。事業の実施に当たりましては、国の補助制度を活用しなければなりません。また、できるだけ早く河川改修をするということになりますと、財源の確保にも工夫をしなきゃならぬわけでございまして、国・県に対しましてこれまで以上の予算の確保を求めてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。 福祉の関係、また、災害の関係につきまして、残余のお答えは所管の局長、部長から行いたいと思います。 ○山野之義副議長 丸口都市政策局長。   〔丸口邦雄都市政策局長登壇〕 ◎丸口邦雄都市政策局長 中心市街地活性化基本計画の現状と課題、今後の取り組みについての御質問にお答えをいたします。基本計画の数値目標の一つである中心市街地における人口の社会動態を見ますと、そのマイナス幅が縮小してきておりまして、ここに来てある程度、まちなかの空洞化に歯どめがかかりつつあるのではないかというふうに考えております。しかし、依然としてまちなかに空き店舗なども見られますので、引き続き活性化に向けた息の長い取り組みが必要だというふうに考えておりまして、これまでの施策に加え、明年度は新たにまちなかにおける住宅建築への奨励金の拡充や、まちの回遊性を高めるための無電柱化の推進、さらにはファッション関連店舗の出店を助成する地域の拡大などに取り組むことといたしております。 次に、定住自立圏の取り組みについてでありますが、定住自立圏は中心となる自治体とその周辺の自治体で形成する主に人口の流出を防ぐための仕組みでありますが、詳細につきましてはいまだ不明な点が多いことから、今後、本市に当てはめた場合のメリットやデメリットを慎重に検討いたしますとともに、近隣自治体の意向も踏まえながら、現在の石川中央広域市町村圏協議会、これの扱いも含めて研究していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 武村総務局長。   〔武村昇治総務局長登壇〕 ◎武村昇治総務局長 現在の行革大綱の最終年度の取り組み、そして新しい大綱策定の課題や方向性についてお尋ねがございました。現行の集中改革プランでございますが、各位の御理解もいただきまして順調に推移をいたしております。最終年度となります明年度におきましても、企業局のコールセンターの開設など、まずは計画達成に向けて取り組みを進めることといたしておるところでございます。また、新しい行革大綱にありましては、経済の急激な悪化などの厳しい時代に即応し、そして市民に開かれ、自主自立で質の高い行財政運営の実現を目指しまして、さらに簡素で効率的な組織体制の構築、新たな人事評価制度の導入や財政の健全化などに重点的に取り組んでいかなければならないと考えておるところでございます。 以上でございます。 ○山野之義副議長 横山福祉健康局長。   〔横山外茂二福祉健康局長登壇〕 ◎横山外茂二福祉健康局長 介護報酬の改定に伴い、事業所の運営内容を公表する制度の整備・充実が必要と考えるが、どうかとのお尋ねがございました。介護保険では、事業者にサービスの内容や運営状況など、利用者の選択のための情報の公開が義務づけられており、今後は従事者の処遇改善に向けた取り組みについても公表される予定であると聞いております。市としても利用者に適切な情報を提供できるよう、事業者情報の公表のあり方について検討してまいります。 次に、介護保険事業計画に盛り込んだ在宅介護や介護予防の充実策について御質問がございました。長寿安心プラン2009では、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、地域密着型サービスの充実を図ることとしております。また、介護者の急病等に備え、空きベッドを確保する緊急ショートステイ事業を試行することとしました。介護予防につきましても、認知症を早期に発見し、これに対応するため、もの忘れ予防事業の充実を図るほか、介護予防教室の自主運営を支援する制度を新たに設けたところでございます。 次に、ノーマライゼーションプラン金沢に基づく施策について、障害者福祉施策のあり方と本市の対応、また、アンケート調査結果を踏まえ、どのような施策が改善、反映されたのかお尋ねがございました。ノーマライゼーションプラン金沢では、当初から障害のある方が地域において、当たり前の暮らしが維持できることを重点課題としておりまして、国の利用者負担の考え方に左右されることなく、地域生活支援事業において、市独自に重度障害のある方の負担を無料にするなど、障害のある方の声に沿った施策を展開しているところでございます。今後は、住まう場の確保のためのグループホーム・ケアホームの整備や親亡き後の不安を解消するため、社会福祉法人等による成年後見制度のあり方について検討してまいります。 次に、就労移行支援事業と支援センターの新サービス体系への移行状況と障害のある方の雇用支援に対する施策についてお尋ねがございました。移行が義務づけられている旧法通所授産施設13カ所から、就労移行支援事業などに6カ所が移行しております。また、移行義務はございませんが、小規模作業所15カ所のうち、地域活動支援センターなどに13カ所が移行しております。本市としては、それぞれの障害程度に応じた就労の場を確保することが重要と考えておりまして、ジョブコーチの待遇改善のための施策や施設職員の研修などを実施してまいります。 以上でございます。 ○山野之義副議長 出口土木部長。   〔出口 正都市整備局土木部長登壇〕 ◎出口正都市整備局土木部長 情報システムの一元化と高度情報化について、国等の情報システムと整合のある高度雨水情報システムの今後の取り組みについてお答えいたします。高度雨水情報システムは、既存の水門水位監視・制御システム、ポンプ監視システム、雨量監視システムを統合するとともに、国・県の情報も取り込み、情報収集の時間短縮や迅速な水防活動、さらに市民への的確な情報提供による防災・減災を目的として構築するものであります。平成21年度からシステムの整備に取りかかりまして、順次、雨量情報の一元監視、監視カメラの設置、ホームページによる市民への情報提供など、機能の充実に努めてまいります。 以上でございます。 ○山野之義副議長 4番野本正人議員。   〔4番野本正人議員登壇〕   (拍手) ◆野本正人議員 昨年を振り返ってみますと、アメリカのサブプライムローン問題に端を発し、我々を取り巻く環境はますます厳しさを増し、日本全体が出口の見えない閉塞感の中で模索を続けている状態ではないかと思います。国内だけを見ても、雇用問題、景気問題、年金問題、環境問題、教育問題、食の安全性など、難問が山積しているわけでありますが、地道に一つずつ、目の前のできることから取り組み、一日も早く明るい話題をお届けすることをお約束申し上げ、質問の機会を得ましたので、自由民主党金沢市議員会の一員として、以下、数点にわたりお尋ねいたします。 質問の1点目は、住民基本台帳カードについてであります。 総務省は、2003年8月25日に住基カードの交付を開始しました。交付開始前、初年度の交付枚数を約300万枚と予測していましたが、同年12月には84万枚程度と予測を下方修正しています。結果としては、初年度末時点で交付枚数は25万枚余と、予測をさらに下回るものでありました。なお、2008年3月31日現在の交付枚数は、総務省の発表では230万枚余であります。そこで、最初にお尋ねいたしますが、ことしの2月末現在の本市での年齢別の交付枚数と住基人口当たりの普及率はどれくらいあるのかをまずお聞かせいただきたいと思います。 また、住基カードは、発行した市区町村から転出すると無効になるため、転出・転入時にはカードを返却し、改めて新規発行手続が必要となりますが、これを省略して全国どこの市区町村でも利用できる住基カードの共通化はできないでしょうか。また、本市での交付に要する手数料は500円ですが、無料としている自治体も増加してきており、本市においても手数料の無料化をお考えになることはできないでしょうか、あわせてお伺いいたします。 また、住基カードについては、使い道が余りないのが難点と市民の声も多くあります。その一方で、これまで、国内での一般的な身分公証書類としては写真つきである運転免許証が一般的でありましたが、免許証を持たない人にとっては身分証明などの場面で一部不自由を強いられる場面がありました。住基カードの登場により、写真つきで住民基本台帳に登録されている人なら、だれでもが取得できる統一的な身分証として評価することができると思います。さらに、自治体によってはいろいろな独自のサービスを行っていると聞きますが、本市においては図書カードや印鑑カードとの一体化、また、2011年度に導入予定の年金手帳、健康保険証、介護保険証の役割を果たす社会保障カードとの一元化を実現することは利便性の向上につながると思いますが、所見をお伺いいたします。 また、先般、私もe-Taxを利用した確定申告のために住基カードを取得いたしました。住基カードについては、保有情報、利用の制限、内部の不正利用の防止、外部からの侵入防止など、セキュリティー確保のためのさまざまな措置が講じられており、2003年の稼働後6年間、住基カードへのハッキングや情報漏えいなどの事件や障害は一度も発生していないと聞いています。間違って作成されれば、不正取得や不正銀行口座開設などの犯罪につながりかねないことであります。そんな中、他の自治体では偽造した住基カードで犯罪が行われたことがあるように聞いておりますが、本市でもそういうことがあればお聞かせください。 質問の2点目は、中学校の修学旅行について何点かお伺いいたします。 日本における修学旅行は、1882年に栃木県第一中学校の生徒たちが先生に引率され、東京上野で開かれた第2回勧業博覧会を見学したことが日本での学生・生徒の集団旅行の始まりと言われており、1886年には東京高等師範学校が「長途遠足」の名で11日間のものを実施したという記録があります。その後、1943年に戦時悪化によって禁止されるまで、伊勢神宮、橿原神宮、厳島神社、金刀比羅宮といった国家神道教育に通ずる神社仏閣などを目的地とする修学旅行が行われたようであります。戦後は、1946年に大阪市立東高等女学校が阿蘇への修学旅行を再開したのが始まりとされ、本格的に再開されたのは1950年代に入ってからであります。現在の中学校の修学旅行先については、それぞれの学校で決められているとのことですが、全国的に見ると、北日本の学校は東日本、東日本の学校は西日本へ、西日本の学校は東日本へ行く場合が多いようです。本市の中学校の修学旅行先は関西方面が多く、京都・奈良などの寺院や仏閣、歴史的建築物が多く挙げられています。加えて、近年ではユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業もあり、大阪や神戸に行く学校も増加しています。神社仏閣などは特定の宗教の特別扱いではないかという意見もあることから、そういった場所を選択する学校は減少傾向にあります。しかし、それらの場所を、歴史を学ぶ目的や観光で訪れることが本当に特定宗教を特別扱いしていることになるのかという点では反対意見もありますが、教育長にはこのことをどのように思われているのか、感想を伺うものであります。 また、1970年から80年ごろまでは、現在のように交通機関が多様化していなかったために、専ら鉄道が修学旅行に使われていたので、何校かの修学旅行客輸送を一括して請け負う修学旅行専用列車の設定も見られましたが、現在では交通手段もふえ、いろいろなバリエーションが考えられるようになりました。石川県内では、本市以外の自治体の中学校において、飛行機を利用して修学旅行を行う学校も何校かあるように聞いていますが、本市においては飛行機を利用しての修学旅行は全くないとのことです。安全性や日程的な面から見ても、飛行機を利用すれば関東方面への旅行も可能となり、例えば見学地としては東京ドームシティー、東京ディズニーリゾートなどのテーマパークや国会議事堂、皇居、横浜みなとみらい21、さいたま新都心などのランドマーク等にも行けると思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。 また、かつて、日本の一般庶民の所得が低かったころは、なかなか遠方へ家族旅行へ行く機会も持てなかったため、修学旅行によって見聞を広めてもらうことが修学旅行の大きな目的とされていました。しかし、現在では所得が向上し、遠方へ旅行に行く家庭が多くなってきています。そこで、お尋ねをいたします。本市の中学校での修学旅行の本当の目的はどのようなところにあるのか、また、必ず行うべきものなのか、存在意義をあわせてお聞きし、この問題を終わります。 3点目の質問は、ホームレスの実態と対策についてであります。 観光都市金沢では、JR金沢駅周辺で寝泊まりするホームレスの数が、景気が悪化した昨年秋から増加しています。そこで、本市でのホームレスの実態について、まずお聞かせください。 金沢を訪れる観光客が旅行でのスタート地点で嫌悪感を持ち、また、日常的に車座になって酒盛りをしながら大声を張り上げているホームレスの姿を見ると、鼓門などのすばらしい景観も台なしになってしまいます。また、一般市民からは、「駅で騒いでいる」「見苦しい」など、迷惑行為の苦情も関係機関に多く寄せられているとのことです。また、世界同時不況にあり、雇用打ち切りがふえ、仕事につけない人も多くなることが想定されることから、今後ホームレスが増加する可能性が高く、また、昨年10月にはホームレスのけんかによる死亡事件が発生し、地域住民に多大な不安を与えたことは記憶に新しいところであります。市民生活の安全・安心を守るためにも、今のうちにしっかりと対策を講じておかないと大変なことになると考えますが、所見をお伺いいたします。 また、本市では、排除一辺倒ではなく、社会復帰を促すホームレス対策として、効果的な自立支援を探るため、2007年1月に金沢市ホームレス問題連絡協議会を設立したことは承知しておりますが、その後の協議会の活動状況についてどうなっているかをお聞きいたします。 質問の4番目は、更生保護事業についてであります。 ことしは、我が国における更生保護制度の基本法である犯罪者予防更生法が施行されて60周年を迎えた節目の年であります。これまでの関係者のたゆまない努力により、更生保護制度は刑事政策においても一翼を担い、今日、更生保護事業による大なる期待が寄せられていると思うのであります。申すまでもなく、更生保護制度は社会の中で犯罪者や非行少年の立ち直りを助け、犯罪や非行のない明るい社会を実現することを目指して、官民協働のもと、保護観察や犯罪予防活動を行っているわけでありますが、この制度は地域社会の理解と協力によりこそ成り立つものであり、地域の事情に詳しい民間の方々の協力が必要欠くべからずとなっております。こうした更生を手助けする公的なボランティア制度は日本が発祥の制度でありますが、まず山出市長には更生保護事業の意義をどのように理解されているのかを伺うものであります。 また、このように犯罪者や非行少年の立ち直りを助けるために、地道に地域において更生保護活動を行っている保護司会や更生保護婦人会の方々に対しての協力、支援についてお考えをお尋ねいたします。 また、保護司が年々高齢化しているため、若返りを図る目的で、法務省は2004年以降、76歳以上の人への再委嘱はしないことを決めました。そのため、大量に退任者が出ることになったため、人材難が憂慮されているのであります。そういう意味からいうと、今の現状では、若げの至りで道を外した方々、罪を償い、これから更生をしようとする若者の支えは保護司の皆さんの力だけではどうにもならないわけでありますが、地域はもちろん、警察や学校とも連携をして取り組んでいかなければいけないと思いますが、そういう意味での地域社会の温かい理解と受け入れ体制が大切だと考えると、本市の取り組みと役割について、現在どうなっているかをお聞きしておきます。 また、全国的に見ると、保護司は地方議会議員、宗教家、自営業者、公務員経験者などが多いわけでありますが、公務員でもそれぞれの任命権者の同意があれば兼務できるということであります。そこで、本市でも、職員の中で保護司として御活躍され、頑張っておられる方がいるのかをお聞きいたします。 また、犯罪や非行をした人を雇用し、自立を支援している協力雇用主は、全国に約6,000事業所ぐらいあると言われております。本市としても、こうした事業所や事業主に対して、何か具体的な支援策のお考えがないのかをお尋ねし、この問題を終わります。 質問の5点目は、先般発生した給食パンつまようじ混入事件についてであります。 私は、昨年6月議会においてこの質問をし、そのときに、今後、安全・安心の観点から、本市として納入業者の工場視察などを行う予定はないのか、このようなことが二度と起こらないようにするにはどのようなことが必要であると考えておられるのか、見解をお聞きしました。本市教育委員会として、製造工場への立入調査の予定はない、当該製造業者に対して衛生管理と安全管理の徹底、混入原因の報告と原因解明に基づいた措置、並びに組織体制がなされるべきという答弁をいただきました。その後、製造業者から改善計画書の提出を受けて、本市では11月にパン使用再開検討委員会を立ち上げ、製造工場など視察を行い、エックス線検査の状況や監視カメラの配置や台数などのセキュリティーチェックを行いました。事件から9カ月が経過し、児童・生徒たちが楽しみにしていたパン給食がようやく再開となったわけですが、2月2日に田上小学校に、続いて3日もたたない2月5日に味噌蔵町小学校で、1週間に2回も給食用パンにつまようじが混入していました。幸いにも、児童・生徒には被害はなく、少しほっとしていますが、給食の安全性を確保するために本市教育委員会は使用を再度停止いたしました。製造業者によると、「製造過程には万全を期しているので、工場内で入ったつまようじではないと思うが、こうして続いたことは非常に遺憾である」とのコメントを出しています。本市では、原因解明がされないままパン給食を再開されたわけですが、今回このような事件が発生したことをどのように考えておられるのかお尋ねいたします。 また、本市は、事件後、金沢中警察署と保健所に通報し、製造業者に対し、社内調査と報告を求めたということであります。そこで、社内調査の報告と保健所の調査はどうなっているのかをお聞きいたします。 また、中小企業のパンメーカーは、学校給食に活路を見出しているところも多く、それがふさがれると大幅な売り上げ減少は避けられず、企業の存在自体も危ぶまれています。しかし、総合的なことを考えると、原因が究明され真相解明されるまで、パン給食の再開は難しいと考えますが、所見をお伺いし、この問題を終わります。 最後の質問は、「全市児童生徒ボランティアの日」設定事業についてであります。 市長は、提案理由の説明の中で、「思いやりのある人を育てる」を重点課題の一つとしており、本市新年度予算案には、国の学習指導要領の改訂とその実施を受け、新たに多くの教育施策が盛り込まれております。その中でも、人と社会、自然、世界とのつながりを大切にする金沢「絆」教育の一環として、心と命をはぐくむ体験活動の推進が挙げられ、「全市児童生徒ボランティアの日」に関する費用や生徒の絆づくり推進費が計上されております。このことは、知識だけではなく、公共心や道徳心などを兼ね備えた人材の育成が求められる中で、児童・生徒が福祉や社会貢献について関心を持ち、理解を深めるよう、地域や施設で交流・体験する機会を拡大することは、私なりに大きな期待を持って受けとめているところではありますが、特に「全市児童生徒ボランティアの日」について、山出市長にはその具体的な内容と構想をお伺いいたします。また、その教育意義について、どのように考えておられるのかを教育長にあわせてお聞きし、私の質問を終わります。   (拍手) ○山野之義副議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 4番野本議員にお答えをします。 住民基本台帳カードのことは市民局長から、また、ホームレスのことについては福祉健康局長からお答えをいたします。 私は、更生保護事業のことについて触れさせていただきたいと思います。市長はこの意義というものをどんなふうに理解をしておるのか、また、支援はどうなのかというお尋ねでありました。犯罪を犯した人、また、非行のある少年が社会の一員として立ち直ろうとするには、やはり本人の強い意思が必要でありますが、これに負けず劣らず、地域社会の理解と支援が必要でございます。保護司の方々はそうした仕事のボランティア活動をしてくださっておるわけでございまして、極めて重要なお仕事を担っていただいているというふうに思っていますし、感謝もいたしています。金沢市の更生保護事業の歴史は大変古うございまして、明治にさかのぼると。もともとは宗教とのかかわりからスタートをしておるというふうに思っていまして、大正以降に至りまして、特に私もこのことについてはいささか知っておるつもりなんですが、かつては更新会と呼びました。今は徳風苑と言っていますけれども、更新会と言いまして、小立野の昔の百々女木、今の宝町に本拠地があるわけであります。有志の方々が刑期終了の人たちを温かく迎え、また、激励をして、そして更生を促したわけでございまして、市にとりますと歴史のある仕事でもございます。大事にしなければいけないというふうに思っております。この活動をするのが保護司会でございまして、この保護司会に対して助成をいたしています。社会を明るくする運動金沢市実施委員会もございまして、市はこの実施委員会の一員でもあるし、啓発活動を行うと。私自身も時間が許せば、街頭に出て、啓発のためのチラシを配ると、こういうこともしてきたわけであります。大きい関心を持ちますし、協力しなきゃいけないというふうに思いますが、もともとはやはり法務省の仕事ということでございまして、法務省の仕事なんですが、地域社会は金沢市がその中核でありますから、支援も申し上げるということだろうと思っています。この更生保護施設--今は徳風苑と言っていますが、この施設の運営に支援をするということも、わずかではございますが、実施をいたしております。それから、出たけれども、なおかつなかなか自立が難しいという場合もたくさんあるわけでございまして、これはケースによりまして生活保護の適用をすると、こんなことも必要になってくるわけであります。 お尋ねになりましたが、市の職員として保護司が何人いるかと。調べましたら3人いました。自発的な活動をしておるわけでありますから、褒めてやりたいし、応援もしてやりたいと、このように思っています。 お尋ねの中に、自立を支援している協力雇用主、この支援はどうなのかというお尋ねがございましたが、これについては法務省の奨励金制度というのはあるわけでございますので、市といたしますと、これはまだ支援を申し上げるということではないのではなかろうかと、こんなふうに思っておる次第でございます。 なお、最後に「全市児童生徒ボランティアの日」の設定事業についてお尋ねになりました。この設定の日、これは7月28日にしたいと、こう思っています。7月28日は水害の発生した日そのものでございまして、この後、中学生を含む多くのボランティアがいろいろ活動をしてくださったわけであります。中学生がトレパンの姿で頑張ってくださったという姿はよくテレビ等で承知をしていまして、いいことをしてくれたと、こう思っておりますし、こんな気持ちをこれからも中学生の皆さん、小学生のお子さんに大事にしてほしいと、こんなふうに思っておるわけであります。市民の皆さんも、あのときの中学生の姿に感動したわけでありますので、市民もまた、このことに関心を持ってほしいという意味で、あえてボランティアの日の設定ということをしたらいいと、こんなふうになったわけであります。このことを通じまして、広く人づくりにも役立てていきたいというふうに思いますし、7月28日に設定をしたことの意味はほかにもございまして、それは私は、あの日を市民の皆さんが忘れないようにしようと--7月28日という日は浅野川流域全体に百年に一度とも言われる水害のあった日だよということを市民の皆さんが知って、そして災害の怖さを知って、そしてその災害の予防・防止、こんなことにいろいろこれからも勉強をしたり、訓練をしたり、そんなことをしていく日にしたいと、こんなふうに考えておる次第でございます。 ○山野之義副議長 東元市民局長。   〔東元秀明市民局長登壇〕 ◎東元秀明市民局長 住民基本台帳カードについて、本年2月末現在の本市における年齢別交付枚数と住民基本台帳人口当たりの普及率はどれくらいあるのかとの御質問にお答えします。住民基本台帳カードは、この2月末現在で8,031枚交付されておりまして、年齢別では、20歳刻みで申し上げますと、交付時の年齢で20歳未満の方は96枚、20歳以上40歳未満は1,697枚、40歳以上60歳未満は2,734枚となっており、さらに60歳以上80歳未満では3,224枚、80歳以上の方では280枚となっています。60歳以上で取得された方が多いことから、公的な身分証明書としての利用がかなりあるものと思われます。また、本市の住民基本台帳人口に対するカードの普及率は1.7%となっています。 次に、住民基本台帳カードの全国共通化のこと、また、発行手数料の無料化のことについてのお尋ねがありました。住民基本台帳カードの全国共通化などを内容とした住民基本台帳法の改正案が、先般、閣議決定されたところであり、今後、国の動向を注意深く見守ってまいりたいと存じます。また、住民基本台帳カードの発行には、ICカードの制作費などの経費がかかりますことから、市民に応分の負担を求めているものでありますが、最近の交通事故の状況にかんがみ、運転免許証を自主返納した高齢者について、身分証明となる住民基本台帳カードの無料化を今後検討したいと存じます。 次に、住民基本台帳カードの独自サービスとして、本市の図書カードや印鑑カードとの一体化や国で検討している社会保障カードとの一元化は利便性の向上につながると思うが、どうかとの御質問にお答えします。総務省が示している住民基本台帳カードを利用した多目的サービスは、住民票の写しや印鑑登録証明書などの自動交付サービス、図書館利用証などであります。本市におきましては、住民基本台帳カードの導入以前から、印鑑登録や図書館利用の専用のカードが広く市民に普及しておりまして、住民基本台帳カードとの一体化は難しいと考えています。また、国が導入を計画している社会保障カードは、住民基本台帳カードの活用も選択肢の一つと聞いています。今後も、国の動向を注意深く見守ってまいります。 次に、他の自治体では偽造した住民基本台帳カードによる犯罪が発生したと聞くが、本市の状況はどうかとの御質問にお答えします。本市の住民基本台帳カードは、券面のデザインが複雑・精緻で偽造が極めて難しく、これまでに偽造や変造された報告はありません。 以上であります。 ○山野之義副議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 中学校の修学旅行についての御質問がございました。 特定の宗教の特別扱いになるという意見から、神社仏閣の見学をする学校が減少傾向にあるが、教育長の感想をとのことでした。金沢市の多くの中学校では、修学旅行において、我が国の歴史・文化に触れることを目的に、歴史的建造物でもある有名な神社仏閣を見学し、よい体験になっていると思っております。 本市の中学校の修学旅行において、飛行機の利用が全くないが、飛行機の利用について教育長の所見はとのお尋ねでございました。本市の中学校における修学旅行の交通手段については、経費や金沢と空港の往復、搭乗手続にかかる時間等を考慮すると、飛行機の利用が必ずしも時間短縮につながらないこと、行程などを考慮し、バスまたはJR等の電車を利用していると聞いております。学校が適切に判断していると思っております。 家族で遠方に旅行に行く機会が多い現在、本市の中学校での修学旅行の本当の目的は何か、また、必ず行うべきものなのか、存在意義についてお尋ねがありました。修学旅行は、平素と異なる環境の中で、豊かな自然や文化に触れる体験を通して、学校における学習活動を充実・発展させるとともに、教師と生徒、また、生徒同士の人間的触れ合いや信頼関係をはぐくむことに意義があると思っております。 次に、学校給食についてお尋ねがございました。給食パンつまようじ混入事件について、前回の原因解明がされないままパン給食を再開したが、再びこのような事件が発生したことをどのように考えているかとのお尋ねでございました。昨年4月のつまようじ混入については、当該製造業者が製造過程で混入した可能性があるとして種々の改善を図ったことを受けて、金沢市学校給食用パン使用再開検討会を開催し、その結果を受け、本年1月下旬から当該製造業者のパンの使用を再開したものでございます。再びこのような事案が発生したことについては、安全で安心な学校給食を提供する者として、大変残念に思っております。 製造業者からの社内調査の報告はどうなっているのかとのお尋ねでございました。当該製造業者からは、2月17日に金沢市教育委員会に対して「社内調査の結果、製造工程においても異常は認められず、社内での混入は極めて考えにくい」との報告がなされております。 パン給食の再開は難しいと考えるが、どうかとのお尋ねでございました。児童・生徒に安全で安心な学校給食を提供することが何よりも優先されると考えており、まずは警察による捜査状況を見きわめたいと考えております。 次に、「全市児童生徒ボランティアの日」設定事業について、その教育的意義についてお尋ねがございました。ボランティア活動を全市一斉に行うことは、児童・生徒の自主的な社会奉仕・社会参加の意識を育てることだけでなく、学校・地域の連携も深まり、きずなの大切さを心と体で学ぶことになると考えております。金沢市の目指す「絆」教育の大切な柱としていきたいとも思っております。 以上でございます。 ○山野之義副議長 横山福祉健康局長。   〔横山外茂二福祉健康局長登壇〕 ◎横山外茂二福祉健康局長 本市におけるホームレスの実態についてお尋ねがございました。厚生労働省が実施している全国調査においては、金沢駅周辺を中心に20人前後のホームレスを確認しております。その収入は、主に日雇い労働により得ているほか、仲間同士で援助し合って生活しているものと思われます。 次に、市民生活の安全・安心を守るための対策についてお尋ねがございました。金沢駅周辺におけるホームレスへの対応については、地域住民や施設の管理者であるJR西日本、国土交通省及び警察当局と連携して定期的にパトロールを行い、その状況把握を行うとともに、市民から苦情があった場合には直ちに現地に赴き、また、緊急時における関係機関相互の連絡網を構築するなど、市民の安全・安心を守るために努力しております。 次に、金沢市ホームレス問題連絡協議会の活動状況についてお尋ねがございました。平成19年1月に金沢市ホームレス問題連絡協議会が発足して以来、年2回、地元住民、施設管理者、医療機関、救護施設、職業安定所、石川県等の関係機関が集まり、ホームレスの状況やその支援に関する情報交換を行うとともに、今後の対応について協議しております。 次に、給食パンつまようじ混入事件について、保健所の調査結果はどうかとのお尋ねがございました。保健所では、教育委員会からの報告を受け、田上小学校及び味噌蔵町小学校に立入調査を行い、いずれの学校においても、衛生管理上、ようじが混入するとは考えにくい状況であることを確認しております。また、製造業者の工場には、2月3日、石川中央保健福祉センターの立入調査に本市保健所の職員も同行し、その製造工程において、ようじが混入するとは考えにくい状況であることを確認しております。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○山野之義副議長 この際、暫時休憩いたします。     午後2時21分 休憩--------------------------     午後2時42分 再開 △再開 ○中西利雄議長 出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○中西利雄議長 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 7番小阪栄進議員。   〔7番小阪栄進議員登壇〕   (拍手) ◆小阪栄進議員 発言の機会を得ましたので、会派市民の一員として、以下、数点についてお伺いいたします。 質問の第1点目は、木質バイオマスストーブの導入と普及についてであります。 私たちが子どものころには、多くの家の軒下にまきが積み重ねてあったり、まき小屋があったりなどの光景がよく見られました。大抵の家庭では、いろりやかまどでまきをたき、調理用や暖房用に使っていたものです。ところが、高度経済成長の伸展とともに、公共施設だけではなく、各家庭においても使用に便利な石油・ガス・電気などが取ってかわり、今ではまきの使用はごく一部の分野のみに限定されてしまってきています。御存じのように、木は他の植物と同じように、葉の葉緑素の働きによって、大気中の二酸化炭素と根から吸収する水とで光合成を行い、成長していきます。そして、その過程で大気中に酸素を放出しています。生き物は、人も含め、太古の昔からすべてこのサイクルの中で生き続けてきたわけです。人間が長らくの間使ってきた石炭・石油・天然ガスなど化石燃料は、かつての生き物が蓄えた有機物です。これらは、地下資源として地球内部に蓄えられている間は地上環境に影響を及ぼすことはありませんが、人間は今までずっと大量に掘り起こし、消費し続けてまいりました。その結果が環境問題の一つになっているわけです。このままずっと化石燃料を私たち人間が消費し続ける限り、二酸化炭素はふえ続けることになります。そこで、排出する二酸化炭素の量を減らすために、また、今、荒廃している森林再生のためにも、今後、まきストーブやペレットストーブなどの普及を図ってみてはいかがでしょうか。 冒頭で述べましたように、まきストーブは、かつては各家庭でも、公共施設でも、民間企業でも、かなり普及していましたが、今ではごく一部の限られた場所でしか使用されていません。エネルギー資源として、まきが石炭・石油・天然ガスなどに取ってかわられたのは、当時は使用までに手間暇を要すること、設置場所の問題、煙や灰やすすの問題などがあったものと思われます。もともと石油や天然ガスなどの資源の少ない我が国にとって、資源問題や環境問題をクリアするためには、ほかの対策と同じように、ぜひ、まきストーブやペレットストーブの使用を考えていく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 まきストーブ用のまきやペレットストーブ用の木材は、山林や森林の多い本市では比較的容易に手に入ります。近年、本市の中山間地においても、山林や森林の多くは手入れされずに放置され、荒廃しています。樹木は活用するために人によって伐採されると、また新芽が自然に生えて再生し、成長していきます。本市は、今後、森林再生や山村定住促進に力を入れていく計画をされています。この計画の中に、今後、まきストーブ、ペレットストーブ、ペレットボイラーなどの普及策もぜひ取り入れていただきたいと思います。燃料となるまきや木材の生産助成とまきストーブやペレットストーブなどの普及助成によって、二酸化炭素の排出量を抑え、森林再生の一助となるとともに、中山間地の活性化にもつながるものと考えます。私も使っていますが、まきストーブやペレットストーブなどは暖房用のみならず、調理用としても活用でき、まきづくり作業を通じての家族の協力は、子どもたちの勤労精神をはぐくむ貴重な労働体験となります。また、まきストーブやペレットストーブなどを囲んでの一家団らんは、家族の和をつくり出すことにつながるものと思います。長野県飯田市では、公立小中学校80校全校で、現在、ペレットストーブを使用しています。ペレットは市内山林の間伐材を粉砕し、圧縮してつくったものであり、ほかにも多くの保育所でペレットボイラーとして床暖房や給食調理室で調理や給湯に使用され、好評であるとのことであります。本市でのバイオマスストーブ普及への取り組みはどのような状況なのかお尋ねいたします。 また、本市として、まず学校、公民館、公共施設などへまきストーブ、ペレットストーブ、ペレットボイラーなどの先導的導入を図る必要があるのではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。 質問の第2点目は、小中一貫教育についてであります。 本市においては、平成16年度から学校2学期制、小中一貫英語教育、学習指導基準金沢スタンダードによる学校教育金沢モデルが推進されてきています。これらは、どれも本市の将来を担う児童・生徒がこれからの変化の激しい時代に生きていくために、しっかりとした学力を身につけ、世界に向け発信できる力を育成する目的から実施されてきたものであると考えます。実施後、ちょうど5年を経過しましたが、例えば本市の児童・生徒の学力は、国が平成19年度から実施している全国学力・学習状況調査における平均正答率を見ますと、県平均、中核市平均及び全国平均をいずれも上回っております。また、小学生の児童英検や中学校3年生の英検3級取得状況を見ても、着実に伸びを見せていることがよくわかります。学校2学期制を加えたこうした取り組みは、どれも既成の学校教育の概念を飛び越え、市に与えられた権限を最大限活用した本市独自の教育施策でありますが、今後も引き続き、充実や検証が必要と思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 さて、学校現場では、さまざまな課題がある中、小学校を卒業した児童が中学校に入学した当初に、なかなか中学校になじめず、急に違和感を感じたり、戸惑いを味わったりなどという問題が全国的に指摘されています。時には、学業不振につながったり、極端な場合には不登校に陥ったりしているケースがあると報告されています。さらに、いじめの問題も、近年は中学校1年で多く発生しているという報告があります。これは、学級担任制中心で6年間過ごした小学校から、突然、教科担任制中心の中学校へと学習環境が著しく切りかわったことも原因の一つであると考えられています。小学校の児童や教員と中学校の生徒や教員との交流や連携が、日常不十分なことが原因であるとも指摘されています。報道によりますと、横浜市は平成21年度から、すべての市立小中学校において小中一貫教育を導入し、小学校と中学校の教員がお互いに連携し、お互いの学校を行き来することにより、学習指導の充実を図ることを目指しています。このほか、京都市を初め、多くの市でも同様の取り組みがなされていると聞いております。中学校とそこの校区にある小学校とがお互いに連携し合うことが非常に大切なことであり、必要であると考えます。例えば、中学校の教員がこれから入学する小学校6年生に授業を行ったり、中学校入学後につまずきを見せている生徒に小学校の教員が補充学習を行うなど、小学校と中学校との交流や連携の機会があればあるほど、学習上つまずく子どもや不登校に陥る子どもの数も減少するものと思われます。しかし、こうした取り組みは全国的に広がりを見せてきているとはいえ、いまだに政令都市を初め、幾つかの自治体に限られているのが現状です。小学校と中学校の連携が叫ばれている割には、制度上なかなか進展しない理由は一体どこにあるのでしょうか。また、本市において小中一貫教育を制度化することはできないでしょうか、あわせてお伺いいたします。 質問の第3点目は、新学習指導要領と金沢「絆」教育についてであります。 平成20年3月に告示された新しい学習指導要領は、我が国の児童・生徒の学力低下傾向を受け、授業時数や教える内容が大幅に変更されました。特に理数教育の充実が図られ、同時に教科の壁を越えて言語活動や道徳教育の充実を図ることが強調されています。また、伝統文化教育の充実や、小学校には新たに外国語活動も導入され、中学校には武道の必修化が盛り込まれました。その一方、規範意識や他人を思いやる心の醸成、健やかな体づくりなど、知識・技能だけではなく、人間形成や健康の保持など、我が国の将来を担う有為な人づくりという観点からも、さまざまな取り組みが学校に求められています。新年度予算を拝見いたしますと、本市が平成16年度から実施してきた学校教育金沢モデルに新たに金沢「絆」教育を加え、第2次学校教育金沢モデルを推進するとされています。まずは、学校教育金沢モデルに金沢「絆」教育を加えられた教育長の思いをお聞かせください。 次に、金沢「絆」教育の内容についてお伺いいたします。事業の内容を見ると、金沢「学びタイム」の創設、金沢ユネスコ・スクールの推進及び「心と命を育む体験活動」の推進が盛り込まれています。そこで、まず金沢「学びタイム」についてお伺いいたします。具体的にはどのような内容のものをお考えになっているのでしょうか。また、新学習指導要領への移行期間中に、このような新しい取り組みがさらにふえますと、学校現場への過重な負担となり、学力向上や生徒指導上の問題となるおそれはないでしょうか、お伺いいたします。 次に、ユネスコ・スクールについてお伺いいたします。ユネスコ・スクールの登録を推進し、持続発展教育を推進することとされていますが、そもそも持続発展教育とはどのような内容の教育をいうものなのでしょうか。また、本市において行うことの意味はどのようなものなのか、お伺いいたします。 最後に、「心と命を育む体験活動」の推進でありますが、「全市児童生徒ボランティアの日」の取り組みや生徒会によるきずなづくりのための事業の推進を通じて、教育長が目指すものはどのようなものなのでしょうか。 以上、金沢「絆」教育における幾つかの点について、教育長のお考えをお聞かせください。 質問の第4点目は、学校施設の耐震化についてであります。 学校施設は、児童・生徒の学校教育活動の場であると同時に、地域社会にとっても重要な教育文化施設であり、地域活動の拠点にもなっています。また、万一、災害が発生した場合においては、地域住民の避難場所としての大切な役割も担っています。したがって、学校施設の安全性確保は極めて重要であります。今議会でも、平成20年度補正予算に学校の耐震化工事を前倒しするための経費が計上されており、学校施設の耐震化への取り組みには非常に大きな評価をしたいと思いますが、これらの工事が終了すると耐震化率は何%になるのかお伺いいたします。 また、先ごろ、金沢市学校施設整備計画検討会から、耐震化が必要とされる学校設備の整備計画が示されましたが、市民はこれに非常に大きな関心を持っています。この検討会では、耐震化の整備方法と優先度について、どのような考え方で取りまとめられたのかお伺いいたします。 この検討会報告書では、「校舎の耐震化に当たっては、児童・生徒の良好な教育環境を創出する観点から、保護者や地域住民のコンセンサスを前提に、近隣の学校との統合や通学区域の見直しを含め、学校規模の適正化についても検討されたい」との意見が付記されており、教育委員会においては、来年度から学校規模の適正化について検討するとされています。学校は、地域の歴史を語る上で欠くことのできない、そして、そこに現在住む人々にとっても心のよりどころとする大切な場所であることも十分に認識していただきながら、対応すべきではないかと考えています。過去の本市の学校統廃合は、市街地、山間地を問わず、児童・生徒数減少により実施されてきています。私がかつて小学校に勤務し始めた昭和44年以降に限定しても、市街地、森本、山間地など、小学校だけで16校が統廃合され、なくなっております。本市では、学校は同時に「校下」という、ほかには余り例を見ない独特な言葉で長年あらわされてきており、公民館活動や行政の一つの単位として大きな役割を担ってきています。町会連合会、少年連盟、社会福祉協議会などを初め、数多くの組織や団体が校下単位で運営され、活動しています。一部学校の児童・生徒数が減少してきたことによる学習環境問題への配慮を考える必要もあり、なかなか難しい問題が山積しています。現行の学校教育法施行規則では、小中学校の適正規模は12から18学級を標準とすると規定されていますが、この規則は全国的に戦後のベビーブームで児童・生徒数が急激に増加し、学習環境が非常に悪化したことを受け、その対応のために昭和31年に制定されたものであります。本市として、児童・生徒数が減少してきている今、どのように今後計画を立て、学校統廃合問題に対応していくのかお伺いし、私の質問を終わります。   (拍手) ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 7番小阪議員にお答えをいたします。 まず、バイオマスストーブ、このことについてお尋ねでございまして、普及のための取り組みの状況、これは環境局長からお答えをいたします。公共施設等に導入すべきだというお話でありました。仰せのことはよく理解ができます。学校等の公共施設にペレットストーブ、それからペレットボイラー、こういうことを導入することにつきましては、温暖化防止、あるいは資源の有効利用という視点から、また、環境教育の推進という観点から、必要というふうに思います。環境基本計画推進連絡会議を設置してございますので、この会議を通じまして、庁内の部局が横断的に連携をして、導入について調査してまいりたいと、このように思っています。 もう一つ、学校の統廃合についてお尋ねでありました。学校規模の適正化につきまして、教育委員会では、新年度に設置いたします検討懇話会の中で基本的な方向を取りまとめる予定というふうに聞いております。今日まで幾つかの実行事例があるわけでございますが、私、いつも思いますことは、この件は大人の論理ではなく、あくまでも子どもの視点で、子どもの幸せな成長、このためにどうあるべきかと、そういう視点からの論議が私は一番大事だと、こんなふうに思っている次第でございます。この問題は施設の整備と無縁でございませんので、教育委員会と市長部局、これ連携をいたしまして、そして適正に運んでいきたいと、こう思っている次第でございます。 ○中西利雄議長 城下環境局長。   〔城下 謙環境局長登壇〕 ◎城下謙環境局長 バイオマスストーブ普及への取り組みはどのような状況かとの御質問でございました。木質バイオマスストーブは、間伐材の有効利用による森林再生の観点からも普及を図っていくべきであるというふうに思っております。今年度より、木質バイオマスストーブの設置費用に対し、補助制度を設けたところでありまして、今後も環境に優しい暖房器具として、一般家庭にさらに普及するよう、PRに努めてまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。 ○中西利雄議長 浅香教育長。   〔浅香久美子教育長登壇〕 ◎浅香久美子教育長 小中一貫教育について御質問がございました。 これまでの学校教育金沢モデルは今後も引き続き充実が必要と思うが、教育長の所見はどうかとのことでございました。御指摘のとおり、学校教育金沢モデルは、本市の将来を担う児童・生徒の育成のため、本市が独自の教育施策として実施してきたもので、高い評価と成果を得ていると考えております。今後も、第2次学校教育金沢モデルを構築する上での基盤として、引き続き充実を図ってまいります。 小中学校の連携が制度上、進展しない理由はどこにあると考えるのか、また、本市において制度化することはできないのかとのお尋ねでございました。小中一貫教育の制度化については、小中学校の教職員採用と配置等に柔軟性が必要であり、人事権のない中では難しいものの、小学校と中学校の円滑な接続は非常に大切であると考えております。本市においては、これまでも小中一貫英語教育の実践などを通して小中学校の連携を進めてきたところであり、来年度は湯涌保育園、湯涌小学校・芝原中学校において、新しい一つのモデルとして研究したいと考えております。 次に、新学習指導要領と金沢「絆」教育について御質問がございました。 学校教育金沢モデルに金沢「絆」教育を加えた教育長の思いをとのことでございました。先日、小学校で1冊の本を2人で持って、声をそろえて凜として音読する光景に出会いました。その姿は自然で温かく、たくましくも感じました。1つのものを2人で分け合い、2人の思いが糸でつながってきずなが生まれます。1人ではきずなはできず、1人だけの思いが強過ぎてもうまくいきません。「絆」の語源・由来は、人にとって身近であった馬や犬、鷹などをつなぎとめる綱と聞きました。一緒に遊び、学び、泣いたり笑ったりしながら、日々の積み重ねの中で、心と心をつなぐ糸がはぐくまれていきます。私は、金沢の子どもたちは地域のきずなに支えられて成長していると思っております。社会が目まぐるしく変化する今、私たちを支えてくれるきずなについて考え、その大切さに気づくこと、そして未来を担う子どもたちにつなぐことが大切と思っております。 金沢「学びタイム」について、具体的にどのような内容のものを考えているか、また、学校教育の中において無理なく実施できるものなのかとのお尋ねでございました。金沢「学びタイム」については、総合的な学習の時間の一部などを使って、環境・伝統文化・国際理解・エネルギー教育など、全市で共通して実践することを定め、金沢にふさわしい学習が行われるようにするものでございます。これまでの各校の実践やユネスコ・スクールの試行を参考にしながら、学校関係者、関係部局による第2次学校教育金沢モデル実践本部を中心に、戦略会議の提言を受けて構築していくこととしております。 持続発展教育とはどのような内容の教育をいうものなのか、また、それを金沢において行うことの意味はどのようなものかとのお尋ねでございました。持続発展教育とは、環境・経済・社会の面において、持続可能な将来を実現する担い手を育てる教育であります。人と社会、自然とのかかわりやつながりの大切さを学習する持続発展教育を金沢で行うことにより、児童・生徒が金沢の伝統文化や自然について学ぶことが進み、学んだことを世界に発信することで、より質の高い総合的な学力を育成することができると考えております。 「全市児童生徒ボランティアの日」や生徒会によるきずなづくりのための事業の推進を通じて、教育長が目指すものはどのようなものかとのお尋ねでございました。昨年7月に発生した大雨災害による中学生を含むボランティア活動は、地域の方々に勇気を与え、また、子どもたちの気づきと自信にもつながりました。きずなづくりとは、子ども同士、あるいは子どもと教師、保護者、地域住民とがともに汗をかいてこそ、はぐくまれていくと考えております。また、自分が人の役に立ち、地域に貢献しようとする気持ちが命と心を大切にすることにつながると思っております。 次に、学校施設の耐震化についてお尋ねがございました。平成20年度補正予算に計上されている耐震化工事が終了すると、耐震化率は何%になるのかとのお尋ねでございました。今議会に上程した中学校2校の耐震化工事が完了すれば、耐震化率は66.9%となる見込みでございます。 金沢市学校施設整備計画検討会では、耐震化の整備方法と優先度について、どのような考え方で取りまとめられたのかとのお尋ねでございました。耐震化が必要な学校施設の基本的な整備方法については、昭和40年以降に建築された学校施設については、既存の建物を補強すること、昭和39年以前に建築された学校施設については、築後相当期間が経過し、老朽化が進んでいるため、改築することとされたものでございます。その上で、補強・改築それぞれに客観的な指標を設定し、対象となる学校の校舎・体育館ごとに整備の優先度について、取りまとめられております。 以上でございます。 ○中西利雄議長 23番上田章議員。   〔23番上田 章議員登壇〕   (拍手) ◆上田章議員 自由民主党金沢市議員会の一員として、以下、質問いたします。 質問の第1点は、金沢刑務所についてであります。この問題は前にも一度、市長に質問をしておりましたが、あれからはや何年もたっておりますので、改めて質問をいたします。 金沢刑務所の起こりは、浅野川沿いにあった藩制時代の牢屋をそのまま利用したものが始まりで、その後、明治29年に石川県議会が新監獄建築の決議をして、明治40年、現在の金沢美大のところに金沢監獄として建てられたものであります。金沢監獄は、れんがづくりの高い塀と、西洋風の八角形をした中央看守所は歴史的にも貴重なもので、現在、国の有形文化財として愛知県の明治村に移築・復元されていることを御存じの方もおいでることと思います。当時はモダンだった金沢監獄の建物も老朽化には耐えられず、昭和45年に現在の若松町に移転してきたのですが、この現在の刑務所もはや40年の歳月がたち、今や耐震度合いや設備も悪くなっています。このことについて金沢刑務所にお聞きしますと、実際のところ、現地での建てかえは困難と考えているようです。また、若松地区も移転当時と周囲の環境は打って変わり、いつの間にか金沢刑務所は学校区域や住宅地の真ん中に位置することとなってしまいました。地域の住民からも、金沢刑務所の移転について耳にすることもあり、私はそろそろ金沢刑務所の移転が必要な時期に来ていると思うのであります。市長におかれましては、この金沢刑務所の移転についてどのようにお考えか、また、現在の若松地区のあり方から見てどのように思われていますか、お聞かせいただきたいと思います。 さて、私は、先般、新しい形の刑務所としてPFI方式により運営をしている栃木県さくら市の喜連川社会復帰促進センターを視察してきました。ここは、平成19年10月、東日本で唯一の構造改革特区制度を活用した新しいタイプの刑務所として運営を開始しました。このセンターでは、国と民間事業者が相互の持ち味を生かして、官民協働による運営を行っており、構造改革特区の認定を受けた地域の社会資源を有効活用し、地域との共生を図ることを基本として、「国民に理解され支えられる刑務所」の実現を目指すとともに、受刑者の改善更生を図り、国民の安全・安心な生活の確保に尽力をしていきますと言っていました。また、ここには受刑者を2,000人収容でき、現在は1,500人いますが、今年度中に2,000人になるとも言っていました。特徴とすべきところは、受刑者の給食を1日1万食もつくっているというわけで、その給食に必要な野菜、米、すべてがセンターの近くの地元のものを利用しているということであり、また、職員もすべて地元の方の採用を行っているとのことでありました。そこで市長、私は、金沢にも喜連川並みの社会復帰促進センターとしての新しいタイプの刑務所を設置するよう働きかけるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 また、現在の刑務所の移転・新築という場合には、現在の場所とも近く、それでいて環境に恵まれた地域として戸室や医王山の地区もあるわけで、中山間地の皆さんの野菜、米の生産や雇用にも役立ち、地区の発展にもつながるものと思うのですが、いかがお考えかお尋ねしたいと思います。 質問の第2点は、アフタースクールについてお尋ねします。 先般、私は、横浜市の学校法人で行われている放課後児童クラブについて視察をしてきました。この学園では、幼稚園の預かり保育の延長線上に位置づけて、小学生になって学校が終わった後、または夏休みや冬休みなど長期休業期間中に子どもたちの生活の場として、「アフタースクール」という名称で放課後児童クラブを実施していました。この学園では、子どもたちが家庭で生活しているような清潔で温かな環境のもとで、自分で考え、行動できる生活場面づくり、学習指導や生活習慣の指導などに力を入れているということでした。また、少子化が進む中で、集団生活を体験することで友達との協調性を養い、幼稚園の子どもたちの交流を通じて、異なる年齢の子どもを知る機会を大切にするということで、アフタースクールでは遠足、一泊体験、そして幼稚園でのプール遊びなど、盛りだくさんの活動を計画しておりました。全国の放課後児童クラブの中には十分な指導ができないところが多いようですが、このアフタースクールでは、幼稚園・小学校教諭など、必ず資格を持った職員が児童の発達に沿ったカリキュラムを立てて運営をしていました。また、大きな特徴ですが、高学年の児童も受け入れており、4、5年生に対しては、自分で考え行動するために、指導員は一歩離れて見守るといった指導もしておりました。これは放任や無視とは異なり、自分で考え解決する力を身につけるためでもあり、自分と他人との考え方や見方の違いにも気づき、豊かな心や人間関係も身につける、考え方や方向としてすばらしいものだと思います。金沢市でもこのような方向と指導をしていただきたいと思いますが、本市の指導方針はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。そして、放課後児童クラブの指導員の資格の実態や対象児童の高学年受け入れについて、どのような考えか、あわせてお尋ねをいたします。 次に、放課後児童クラブの実施場所についてですが、金沢市内では、現在、児童館や学校の空き教室、保育所など、公共の施設を利用して多く実施されておりますが、中には民家を借りて行っているところもあるようです。実際、民家を借りる場合には、その家賃の負担は放課後児童クラブに通わせている親への負担にもなるわけで、また、この家賃に対する補助制度を実施している市役所の負担にもつながっていると思います。ましてや、専用の施設の建設というのは、この経費節減の御時世にあって難しいことだと思います。そこで、放課後児童クラブの実施場所にあっては、地域や施設の管理者の御理解、御協力をいただいて、できる限り公共の施設、または民間でも準公共のような施設で開設していくようにすべきだと思いますが、いかがお考えかお尋ねをします。 質問の第3点は、国立若松病院の跡地利用についてです。 もともと若松病院は、大正15年8月に金沢市若松療養所として開設されて、昭和52年4月に国立療養所金沢若松病院として改称され、平成17年に岩出町にある独立行政法人国立病院機構の医王病院に統合されて、今はなくなってしまいました。開設当時は、金沢大学も山側環状道路もなく、そして今のようなにぎわいもない中、若松病院は田上地区の地域医療に大きく貢献をしてきたものであります。さて、若松病院がなくなったことは大変残念なことでありましたが、この土地は4万4,763平方メートルあり、大変に広大な土地であり、その有効利用は地域の皆さんだけではなく、金沢市にとっても大きな関心事だと思います。私は、かつて、文教地区とも言えるこの地区にふさわしいものと考え、図書館が最適だと議場で要望したことがありますが、その考えは今も変わっておりません。金沢市の図書館は、中心部、南部、そして今、西部に新しくつくろうとしているわけですから、市域のバランスを考えて、東部の地域に図書館があってもいいと思います。市長には、この土地の取得と跡地利用について、どのような考えをお持ちかお尋ねをしたいと思います。 また、土地取得ということが財源的に難しいならば、借り上げという手法もあると思います。市内の学校など、民地を借り上げて建物を建設しているところもたくさんあるわけで、この際、この土地を借り上げての有効利用について、その考えはないかお聞きしたいと思います。 質問の第4点は、歴史都市にふさわしいまちづくりについてです。 金沢市がこのたび、歴史まちづくり法に基づいて歴史都市第1号に認定されたことは、まことに喜ばしいことだと思います。金沢は、お城があっての金沢であり、そのお城を中心にして発展してきたまちです。そのため、城下町金沢の姿が見えるようなまちづくりをしていかなければならないと思います。もちろん、江戸時代の建物をそのまま残していくことは不可能だと思いますが、つい40~50年前まではお城が見えるまち並みがあったと思います。それが今では鉄筋コンクリートの建物がお城の周辺に建ち並び、何ともふつり合いな格好になっていると思います。今、県庁の広坂庁舎も一つが解体され、残り一つもいずれ取り壊されると聞いています。また、国の合同庁舎も移転するとして、お城の周辺は少しずつすっきりしていくこととは思いますが、一方では尾山町の高校跡地にマンションが建ってしまったという現実もあります。私は、金沢市が歴史都市の看板を掲げた以上、それなりの規制も必要ではないかと思います。例えば、お城の周辺での高さ規制や景観規制をもっと厳しくして、お城とふつり合いな建物を規制していくべきだと思いますが、市長はどのようにお考えかお尋ねをしたいと思います。 かつて、お城の大手門の側には、村彦病院というすばらしく、そして立派な木造建ての病院がありましたし、藩士の大きなお屋敷が並んでいたわけで、今のコンクリートの建物とは違い、お城やお掘とバランスがとれて、それは風情があったと思います。この際、町家の再生や木造建築物の奨励策など、お城とつり合いがとれる建物の誘導策も必要と思いますが、どのようにお考えかお尋ねをいたします。 質問の第5点は、ふらっとバス新規路線の増設についてであります。 昨年11月に、ふらっとバスの長町ルートが開設されました。平成11年のふらっとバスの導入以来10年目、そして此花、菊川に次ぐ材木ルートからは6年ぶりという新規路線として第4番目の路線が運行され、市民の気軽な足として利用されております。ふらっとバスは金沢市内の狭い道路事情を考え、さらには、まちなかで高齢者にとって公共交通を利用することが不便な地域を対象に路線の設定が行われてきたところです。しかしながら、御承知のとおり、かつては循環路線が多数市内を走っていたものですが、時代の流れとともに運行が困難となって、市内循環、循環寺町、循環東大通り線などといった名物路線は、市民の惜しむ声を残しながら、昭和40年から50年代に消えていったのであります。今、ふらっとバスという形で、その意を酌んで昔の路線の一部が復活して設定されておりますが、実際のところ、市内の方々からはもっともっと昔の循環バスの復活を望んでいると思うのであります。私は、この際、民間のバス事業者がやらないのなら、金沢市のふらっとバスで市民の要望にこたえていくべきだと思うのであり、市民の利便性向上のため、今後、ふらっとバスの新規路線を増設する考えはないか、お聞きしたいと思います。 また、その中で寺町循環などは非常に収益性も高いものと思います。寺町かいわいだけではなく、昔の路線よりも少し線を延ばして、六斗の広見や平和町の市立病院や野田山の墓地あたりまで運行すれば、市立病院の利用率向上や墓参りに、そして観光の面からも期待ができると思うのであり、この際、第5番目のルートとして、寺町ルートを開設する考えはないかをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。   (拍手) ○中西利雄議長 山出市長。   〔山出 保市長登壇〕 ◎山出保市長 23番上田議員にお答えをいたします。 まず、金沢刑務所の件でございますが、仮に移転ということになりますと、地域にふさわしい土地利用がなされるように、市としても関心を寄せていかなければいけない、そんな課題でございます。しかし、先日、金沢刑務所に確認をいたしましたら、当分移転の予定はないと、そういう御返事でございまして、御承知いただきたいと思います。 アフタースクールのことをお尋ねでございまして、これは福祉健康局長からお答えをいたします。 それから、国立若松病院の跡地利用の件でございますが、このことについては、これまでも申し上げました。金沢大学工学部の跡地の活用と、こんな大きい課題もあるわけでございます。したがいまして、市として若松病院跡地を取得、あるいは借り上げて、公共施設等を設置することは考えておりません。既に、国に対しまして、この旨は連絡をいたしてございますし、この連絡にあわせまして我々が申し上げたことは、周辺の住まいの環境に調和した土地利用をすべきだと、このことは申し入れたところでございます。引き続き、適切な土地利用がなされるように、アフターケアを行って見守っていきたいと、このように思っています。 歴史都市の認定を受けたんだから、お城の周辺では厳しい高さ規制が要るという御趣旨でございました。仰せのとおりだと思っています。お城の周辺につきましては、景観上極めて重要な場所でありますので、現在策定中の景観計画の中で歴史文化象徴地区と、このように位置づけまして、きめ細かな景観形成基準を設けることにしているわけであります。高さの規制につきましては、お城の高さに調和するように、高度地区、それから風致地区の指定によりまして、制限を設けていることを御承知いただきたいと思います。なお、建物のお城の周辺での誘導策につきましては、都市整備局長からお答えをいたします。 そこで、ふらっとバスでございますが、新しい路線をふやすようにというお尋ねでございました。このふらっとバスは、片町・香林坊地区を初めといたしまして、中心市街地の活性化を目指して、そして高齢化率の高いまちの中で、買い物とか通院等の日常的な足として導入したものでございます。昨年11月の長町ルートの運行開始によりまして、まちなか区域におけるところの公共交通不便地域はおおむね解消できたんではなかろうかと、こんなふうに考えているところでございます。また、市内のバスにつきましては、民間の交通事業者が需要を見きわめながら路線網を形成し、運行を行っているところでございます。このようなことから、御提案の寺町ルート等の新たなルートを今開設するということは考えていないわけであります。どうか御理解を賜りたい、このように思います。 以上です。 ○中西利雄議長 横山福祉健康局長。   〔横山外茂二福祉健康局長登壇〕 ◎横山外茂二福祉健康局長 放課後児童クラブへの本市の指導方針についてお尋ねがございました。本市の児童クラブには、児童の健康管理や安全確保のほか、遊びを通しての自主性や社会性を育てる指導をお願いしております。 次に、放課後児童クラブの指導員の資格の実態や対象児童の高学年受け入れについてお尋ねがございました。現在、保育士・小学校教諭等の有資格者は全体の3分の2であり、対象児童については地域の実情に応じて小学校4年生以上の児童の受け入れも行っております。なお、平成21年度からは、新たに主任制を導入するとともに、研修内容を充実することで指導員の資質向上に努めてまいります。 次に、放課後児童クラブの実施場所はできる限り公共の施設、または民間でも準公共のような施設で開設していくようにすべきと思うが、いかがかとお尋ねがございました。放課後児童クラブの開設については、これまでも地域の皆様の御協力をいただきながら、児童館や学校の余裕教室、民家など、多様な社会資源を活用してきました。今後とも、地域の実情に応じた柔軟な形態で整備を進めてまいります。 以上でございます。 ○中西利雄議長 坂戸都市整備局長。   〔坂戸正治都市整備局長登壇〕 ◎坂戸正治都市整備局長 町家の再生や木造建築物の奨励策など、お城とつり合いがとれる建物の誘導策が必要ではないかとのお尋ねでございます。町家の再生や木造建築物の奨励策については、まちなか住宅リフレッシュ支援制度や、まちなか住宅建築奨励金により実施いたしております。さらに、町家再生モデル事業や優良町家の認定、町家風モデル共同住宅の建設費の助成を行うなど、歴史的景観に調和した木造建築物の普及に努め、今後とも歴史都市にふさわしい景観形成に努めてまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○中西利雄議長 これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は、明11日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。     午後3時43分 散会...